出版社内容情報
アフリカには,人びとの共生を実現するための知恵や仕組みがある。自らの不完全性を認めつつ他者を拠り所にする社会認識,徹底した交渉,日常の生活世界に豊穣を見いだし,手元にある物や知識,技術をブリコラージュして活用する力。個の自律と公共的連帯をいかに両立させるかに苦悩する現代社会の問題を解く鍵がそこにある。
内容説明
アフリカの哲学と知恵を今こそ現代世界に活かす。アフリカには、人びとの共生を実現するための知恵や仕組みがある。自らの不完全性を認めつつ他者を拠り所にする社会認識、徹底した交渉、日常の生活世界に豊穣を見いだし、手元にある物や知識、技術をブリコラージュして活用する力。個の自律と公共的連帯をいかに両立させるかに苦悩する現代社会の問題を解く鍵がそこにある。
目次
序章 「アフリカ潜在力」とブリコラージュ・不完全性・生活世界
第1部 アフリカ社会を脱植民地化し解放するための方策はなにか(認識論的相対主義を恐れること勿れ―アフリカ哲学を「普遍主義」のわなから解放する;潜在的な文化的ポテンシャルを活性化し社会的問題の解決にとり組む―アフリカの大衆文化がもつ開放的な政治思想の可能性 ほか)
第2部 アフリカ社会において人びとの争いはいかに解決されるか(パラヴァーとコンセンサス―アフリカ社会において相克はいかに解決されるか;ケニア北西部における地域住民によるローカルな平和構築の潜在力―ウェスト・ポコットの事例より ほか)
第3部 現代世界を支配するシステムにどのように対峙するのか(共感と共有を通じた知識形成;サハラ以南アフリカにおける子どもと子ども性―開発問題の視点からみるその実態と未来への提言 ほか)
第4部 この世界を周縁から再構築することはどのように可能になるのか(「アフリカ潜在力」という観点から見た在来性およびアフリカの現実の新しい捉え方;セシル・ジョン・ローズ―帝国主義的統治における「完全な紳士」 ほか)
跋―「アフリカ潜在力」とオルタナティブな未来の創造
著者等紹介
松田素二[マツダモトジ]
総合地球環境学研究所・教授および京都大学名誉教授。ケニアの首都ナイロビおよび西ケニア地域における都市化や人の移動、紛争に関する文化人類学的研究に従事
ニャムンジョ,フランシス・B.[ニャムンジョ,フランシスB.]
ケープタウン大学社会人類学科・主任教授。アフリカの歴史、思想、文学への根源的洞察、シチズンシップ、民族問題などに関する人類学的研究に従事。主たる著書に『Drinking from the Cosmic Gourd:How Amos Tutuola Can Change Our Minds』(2017年、Fage&Oliver賞受賞)などがある
太田至[オオタイタル]
京都大学名誉教授。ケニアのトゥルカナ、ナミビアのヒンバなど、アフリカの牧畜社会に関する人類学的研究に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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