出版社内容情報
現代の「人間」の輪郭を浮かび上がらせる試みは、人類が葛藤のなかで培った「耐える」力を探ることから始まる。絶滅の危機にある種と感染症との闘い、焼畑農耕による森の破壊と再生の連関、変動する島環境のなかで移住によって命をつなぐ人々--積み重ねてきた知恵を足場に自らを改変するダイナミズム。
内容説明
現代の「人間」の輪郭を浮かび上がらせる試みは、人類が葛藤のなかで培った「耐える」力を探ることから始まる。絶滅の危機にある種と感染症との闘い、焼畑農耕による森の破壊と再生の連関、変動する島環境のなかで移住によって命をつなぐ人々―積み重ねてきた知恵を足場に自らを改変するダイナミズム。
目次
第1部 アウター・ワールド再考(環境の生成と消滅―人新世とエスノプライマトロジー;アグロフォレストリーとともに生きる―チャ・コーヒー・カカオ栽培の事例より;タンザニア農村における家畜飼養のこれから―家畜感染症の流行に学ぶ)
第2部 反転するインナー・ワールドとアウター・ワールド(つながりを維持し、葛藤を引き受ける―フィジー・キオア島における変化にたえることの歴史と現在;霊長類の社会変動にみるレジリエンス;「互恵」と「共感」にもとづく正義の実現―共同体ガバナンスと葛藤解決における普遍的道徳基盤のはたらき)
第3部 渾沌を生きる(国境を越えた集団移住と「環境難民」―歴史経験が生み出すバナバ人の怒りと喪失感;個の死と類の亡夫をめぐる人類学的素描;カソゲの森にきざすもの―ヒトがもたらす撹乱と生成)
著者等紹介
伊藤詞子[イトウノリコ]
京都大学アフリカ地域研究資料センター研究員。京都大学大学院理学研究科博士課程修了、博士(理学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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