出版社内容情報
近年さかんなメールやSNS、創作漢字、キラキラネームなどの様々な音声を前提しない文字使用に対応できる認知理論を提供する。
目次
序論
第1章 文字の研究史と用語(文字の研究史;用語の整理;おわりに)
第2章 理論的枠組みとしての拡張記号モデル(本書の言語観;認知言語学における諸理論と諸概念;拡張記号モデル;おわりに)
第3章 文字体系の成立と発展(文字体系の成立と発展;象形と指事;会意と形声;仮借と転注;おわりに)
第4章 表記・書記法における合成構造(英語の綴り;当て字とルビ;括弧;その他の約物;おわりに)
第5章 創造的な文字使用(創作漢字;キラキラネーム;ネットスラング;おわりに)
結語と展望
著者等紹介
黒田一平[クロダイッペイ]
京都大学大学院人間・環境学研究科言語科学講座単位認定退学、京都大学博士(人間・環境学)。現在、京都大学、龍谷大学、京都ノートルダム女子大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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gorgeanalogue
14
時間がかかったが、頭の整理にもなって非常に面白かった。「認知言語学」の一端が腑に落ちたのもよかった。その上で文字が書記と音韻と意味からなる「構文」であると定義され、「認知文字論」としてさまざまな言語運用における書記(文字)の意味や音韻への大きな関与が分析される。顔文字やネットスラングの分析も面白い。ただ、文字の書きぶりとか書体などの要素が「認知」にどう影響しうるかも書かれていないのは残念な感じもするし、ある意味では「認知」にとどまっていて、言語行為論の「言語媒介行為」にまでは触れられない>お前が書け~2023/02/16