出版社内容情報
「客観的現実」には還元できない陰影のある現実は,世界をアフェクトゥス(情動)の相から眺めることによって初めて垣間見える。
内容説明
我々は「すでに在る」のではない。人も動植物もモノ…も、影響・作用され、影響・作用することの中で、存在し続けることが出来るのだ―。世界の見方の根本的な転倒によって現れる現実を示そうとする、人類学、哲学、生命科学そしてアートの共振。
目次
書き割りの身をうぐいす、無限小の幸福
第1部 アフェクトゥス論の射程(スピノザと「植物人類学」―アフェクトゥス概念の人類学的一展開;熱帯雨林との感受―共振とうなり ほか)
第2部 アフェクトゥスと潜在性―生・死・影(弔いとしての家―情動・モノ・死者;悪夢を感受し、「夢達」を甘受する―スーダン東南部における影の共同体 ほか)
第3部 アフェクトゥスと社会性―表層・リズム・パターン(皮膚的建築―情動の場としてのルーマニアのロマの家屋と音楽;境界、動作、リズム―ビャンス及び周辺地域の「太鼓演奏」の諸相 ほか)
第4部 アフェクトゥス論の発展(テクノロジーと情動―現代将棋における機械と人間;回想の表情/姿勢とその揺らぎ―供述聴取のテクノロジーをめぐって ほか)
アフェクトゥスとは何か?