出版社内容情報
後3-4世紀の新プラトン主義者による、彼の哲学史の一部や、妻への手紙、胎児の成長に際し魂が演ずる役割の難問に答えた書簡など。
内容説明
後3‐4世紀に活躍した新プラトン主義者の3作品。『ピタゴラス伝』は彼による哲学史の一部。残る本邦初訳のうち『マルケラへの手紙』は晩年になって友人の寡婦を娶った彼が、旅先から彼女を教え励ましたもの。ガレノス作に擬される形で発見された『ガウロス宛書簡』は古代に論争のあった、胎児の発生に父や母および胎児自身の魂がいかなる役割を演ずるかという難問に独自の解答を与える。
目次
ピタゴラス伝
マルケラへの手紙
ガウロス宛書簡
著者等紹介
山田道夫[ヤマダミチオ]
神戸松蔭女子学院大学名誉教授。1953年大阪市生まれ。1981年京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。神戸松蔭女子学院大学教授を経て2018年退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roughfractus02
7
『ピタゴラス的生き方』のイアンブリコスの前世代の新プラトン主義者である著者は、ピタゴラスの輪廻転生説を魂の不死、他の動物への転生、転生の周期的な生成、生まれるものに新しいものはなく、生き物は全て同属である、という5つの特徴に分類した。また、ピタゴラスを聖人として扱い、その思想をエジプト、インド等の非ギリシャ的知から成るとする伝承を記している(「ピタゴラス伝」)。父母と胎児の関係を輪廻転生する魂の不死から捉え(「ガウロス宛書簡」)、哲学徒である妻の悩みに答える手紙も格言集の趣がある(「マルケラへの手紙」)。2022/06/30
暁
0
ポルピュリオス最高!