出版社内容情報
ギリシア・ローマ神話伝説の摘要を全277話、各話完結式で集めたハンドブック。とくに失われた悲劇を再構成するうえで貴重な資料。
内容説明
ギリシア・ローマの神話・伝説を全277話、各話完結式で記述したハンドブック的作品。原文はラテン語ながら、内容のほとんどはギリシアの事柄であり、それらをローマの一般大衆へ紹介することが主たる目的だったとも考えられる。とくに失われた悲劇を再構成するうえで貴重な資料。太宰治『走れメロス』が末尾に記す「古伝説」なるものの元来の典拠こそ、本書にほかならない。
目次
テミスト
イノ
プリクソス
エウリピデスのイノ
アタマス
カドモス
アンティオペ
エンニウスが書いたのと同じエウリピデスの劇
ニオベ
クロリス〔ほか〕
著者等紹介
五之治昌比呂[ゴノジマサヒロ]
大阪大学日本語日本文化教育センター教授。1969年福井県生まれ。1997年京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学。2000年京都大学博士(文学)。2016年大阪外国語大学留学生日本語教育センター助手、講師、助教授、准教授、大阪大学日本語日本文化教育センター准教授を経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roughfractus02
7
2世紀のローマではギリシア文化はまだ優位を保っていた。本書はギリシア悲劇の知識、特に神々の系譜とその世界について教養を学校で習ったメモ書きではないかとされる(多作の作家でその作品がほぼ失われたヒュギヌスとは文体や語彙の違いから別人とする説)。一読すると神話辞典に見える本書だが、その特徴は277に及ぶ項目の各々に訳者の詳細な「註」と「補註」が付してある点だ。ギリシア神話の記述と古今の注釈(フレイザー、グリマル、ガンツ、ロッシャー等)を猟渉し比較対照していくその注釈は、ギリシア神話研究の系譜を読者に示唆する。2022/07/26
Go Extreme
1
テミスト イノ プリクソス エウリピデスのイノ アタマス ニオベ クロリス シシュポスとサルモネウス アドラストス アンティゴネ アイギストス アトレウス ラオメドン プリアモスの五四人の息子と娘たち アレクサンドロス・パリス パリスの審判 カッサンドラ アンキセス オデュッセウス アキレウス イピゲネイア アウゲ テウトラス トロイアの馬 イリオネ ポリュクセネ プロテウス きわめて大きかった者たち たぐいまれな美男であった者たち 誰が何を発明したか 誰がどの町を建設したか 諸物を初めて発明した者たち2021/05/09