出版社内容情報
中国の社会構造を大きく変えた一人っ子政策。「圧縮された近代」におけるリプロダクティブ・ヘルス&ライツの在り方を鋭く問う。
内容説明
70年代末から続いた一人っ子政策は、中国の社会構造を大きく変えた。近代化路線と同時に始まったリプロダクションにおける強権の行使と黙認・容認、抵抗と打算、家族・労働の変化等々、生殖コントロールをめぐる実践の中で、女性は酷く傷ついたが、結果として、男性中心社会は大きく揺らぎつつある。「圧縮された近代」の隣人たちが経験した、リプロダクティブ・ヘルス&ライツの変貌を鋭く分析する。
目次
解説 アジア近代のリプロダクションの変容―出産の近代化と家族計画の普及
第1部 中国の人口問題と計画出産(中国の人口と人口政策―ジェンダーとリプロダクションからみる中国人口史;非合法堕胎から計画出産へ―中華人民共和国成立前後の性と生殖をめぐる言説空間の変容)
第2部 上海の計画出産(都市の女性に浸透する計画出産―一九五〇~六〇年代上海におけるリプロダクションの変化;上海における一人っ子体制の成立―一九七〇~八〇年代)
第3部 中国農村の計画出産(先進的農村における計画出産の展開―遼寧省Q村;「遅れた」農村における計画出産の紆余曲折―湖南省B村)
著者等紹介
小浜正子[コハママサコ]
1958年、大阪府に生まれる。京都大学文学部東洋史学科卒業、お茶の水女子大学大学院人間文化研究科単位取得退学。お茶の水女子大学博士(人文科学)。鳴門教育大学助教授をへて、現在、日本大学文理学部教授。(公財)東洋文庫研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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