出版社内容情報
割れ方から作り方を探る。割れを知り,操る,破壊力学・フラクトグラフィと石器研究が出会う。人類史を精細に紐解く新たなアプローチ
内容説明
小さなナイフから大きな構造物まで、人類は石を割って加工し、文化を彩り文明を築いて、現代にいたる暮らしを作ってきた。岩石を破壊しながら作られる石器を、破壊のメカニズムを知る破壊力学や、それを応用したフラクトグラフィ(破面解析)の視点から読み解くことで、確実な根拠をもって過去の人類文化史に迫る。考古学者と考古学を学んだ破壊力学研究者の出会いから生まれた稀代の一冊。
目次
第1章 石割りとは何だろうか(石割りの今昔;石割りの道具と技術;石器石材)
第2章 石器に見られる破面模様(ハックルとテール;リップル;ミラー、ミスト、ハックル、亀裂分岐;ミストやハックルと関係する破面模様;その他の破面模様;石器研究に役立つ破面模様)
第3章 石器づくりで生じる剥離現象(破壊力学の基礎知識;石器づくりの破壊力学;打面や剥離面のフラクトグラフィ;断面のフラクトグラフィ;破損面のフラクトグラフィ)
著者等紹介
ツィルク,アレ[ツィルク,アレ] [Tsirk,Are]
1937年エストニアのタリン生まれ。ニューヨーク大学で土木工学の博士号(PhD)を取得したのち、ニューヨーク大学人類学部で考古学を学ぶ。ニュージャージー工科大学准教授を務めたほか、メイン大学(アメリカ)やタルトゥ大学(エストニア)で教壇に立ち、石器づくりや石器のフラクトグラフィを講義。2015年3月逝去
上峯篤史[ウエミネアツシ]
1983年奈良県生まれ。南山大学人文学部人類文化学科准教授、博士(文化史学)。同志社大学大学院文学研究科文化史学専攻博士課程(後期課程)修了。同志社大学高等研究教育機構・文学部助手、日本学術振興会特別研究員PD、京都大学白眉センター・人文科学研究所特定助教をへて、2019年4月より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。