出版社内容情報
皇帝は教皇の足元に跪き、教皇はその肩を抱き起す――演劇的な許しの儀礼とそれを見つめる群衆が秩序を形づくる過程を丹念に追った。
内容説明
中世ヨーロッパではシンボル、身振り、儀礼など、非言語メディアによる対面的なコミュニケーションが政治・社会秩序を支えた。本書はドイツの王(皇帝)と諸侯、英仏王、イタリア都市、教皇との間で繰り返される紛争と平和の演劇的な場面を史料からリアルに再現し、中世政治史に再考を迫る。
目次
第1章 ヨーロッパ中世史研究における「コミュニケーション」
第2章 10‐11世紀ドイツの政治秩序とコミュニケーション
第3章 フリードリヒ1世・バルバロッサの宮廷と政治的コミュニケーション
第4章 ローカルな紛争と王宮廷―バルバロッサとヴィーバルトの書簡より
第5章 「シュタウフェン家」と「ヴェルフェン家」の争い?―紛争の中の王
第6章 宮廷の中の儀礼と争い
第7章 境界地域における宮廷とコミュニケーション―ブルグントとフランス
第8章 シスマ期のバルバロッサと教皇・ブルグント・フランス
第9章 ヴェネツィアの和―シスマ解消へのコミュニケーション・プロセス
第10章 バルバロッサのアルル戴冠と地中海世界
第11章 宮廷の外―13世紀のドイツ北西部における紛争解決とネットワーク
総括と展望
著者等紹介
服部良久[ハットリヨシヒサ]
1950年生。京都大学大学院文学研究科博士課程中途退学。富山大学人文学部助教授、京都大学文学部助教授、同教授、京都大学大学院文学研究科教授を歴任した。京都大学名誉教授、立命館大学客員教員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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