出版社内容情報
従来『人間本性論』で評価されなかった『道徳について』は、今日最も脚光を浴びており、特にヒュームが重視する多元的な価値観は、IT技術や医療技術が発達した現代において有効な哲学思想として再評価されている。
内容説明
「共感」に基づく「徳」の倫理学。ヒュームの多元的な価値観は示唆に富み、高度で多様な技術が発達した現代において有効な議論を提起する。近年注目度がますます高まる道徳論を最新訳で読む。
目次
第1部 徳と悪徳一般について(道徳的区別は理性に由来しない;道徳的区別は道徳的感覚に由来する)
第2部 正義と不正義について(正義自然的徳か、それとも人為的徳か;正義と所有の起源について;所有について決定する、諸々の規則について;同意による所有権の移譲について;約束の責務について;正義と不正義に関するいくつかの更なる省察;統治機構の起源について;〔統治機構に対する〕忠誠の源泉について;〔統治機構への〕忠誠の限度について;忠誠の対象について;諸国間の法について;貞操と慎ましさについて)
第3部 他の徳と悪徳について(自然的徳と自然的悪徳の起源について;こころの偉大さについて;善良さと善意について;自然に備わる能力に関するいくつかの更なる省察;本書の結論)
著者等紹介
神野慧一郎[カミノケイイチロウ]
大阪市立大学名誉教授。博士(文学)。1932年長崎県生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得。京都大学文学部助手、大阪市立大学文学部講師、同助教授を経て、1980年より大阪市立大学文学部教授、1995年同退職。同年、摂南大学経営情報学部教授。2002年同退職
林誓雄[ハヤシセイユウ]
福岡大学人文学部准教授。博士(文学)。1979年京都府生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。日本学術振興会特別研究員、大谷大学文学部任期制助教、福岡大学人文学部講師を経て、2018年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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