出版社内容情報
様々な宗教の類型を認識することで真性の哲学的認識に導くという、主著『精神現象学』にはなかった晩年の新しいヘーゲル像を切り開く
内容説明
抽象的思考の手をどこまでもすり抜けていくものを前に、哲学はどのような営みでありうるか。主著『精神の現象学』にはない晩年の新たなヘーゲル像。
目次
序論 ヘーゲル「宗教史」はなぜ問われてこなかったのか―受容・研究の展開と現状
第1部 宗教―ベルリン期ヘーゲルの問題意識と哲学的宗教概念の文化論的転換(「追考」の論理―自己化する知と体系化の根底;「媒介された直接性」の問題とヤコービ批判;ヘーゲル宗教哲学と「直接知」の問題)
第2部 歴史―「媒介された直接性」理論の展開と「学への導入」構想(概念的発展と歴史的形態化;精神の自己外化―『精神の現象学』最終の段落が語るもの;『精神の現象学』以後の導入コンセプト ほか)
第3部 宗教の歴史―ベルリン期宗教哲学における「宗教史の哲学」の遂行(人間の誕生と宗教史;「起源への思考」に対する批判と文化理解のカテゴリー;証言しうる主体性の系譜学 ほか)
結論 哲学のまわり道
著者等紹介
下田和宣[シモダカズノブ]
1981年静岡県生まれ。旧姓石川。文学博士(京都大学、2018年)。京都大学大学院思想文化学専攻宗教学専修博士課程を経て、2012年から2018年までドイツ留学(ボッフム、キール)。現在、京都大学非常勤講師。専門はヘーゲルとブルーメンベルクを中心とする西洋宗教哲学・文化哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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