出版社内容情報
18世紀啓蒙時代――グロティウス、プーフェンドルフの著作の仏訳によって後世に名を残した思想家ジャン・バルベラック(Jean Barbeyrac
内容説明
ジャン・バルベラック(Jean Barbeyrac、1674‐1744)は、グロティウス、プーフェンドルフの著作の仏訳によって後世に名を残したが、ただ思想を媒介しただけではない。プーフェンドルフの著書に付した長い序文『道徳哲学史』には彼の独自の道徳思想が見られ、それは後世のスコットランド学派につながる。紹介者としての一面のみで捉えられ、これまで表舞台に現れてこなかった彼の思想を、キリスト教思想の観点から浮き彫りにする未知の試み。
目次
序章 キリスト教的人間像の変遷と道徳哲学
第1章 バルベラック『道徳哲学史』と自然法学
第2章 バルベラック『娯楽論』研究序説―福音道徳と理性
第3章 バルベラックの「啓発された自己愛」
第4章 ティロットスンのキリスト教的人間像(感覚・理性・信仰)―バルベラックの思想との関連性をめぐって
第5章 「直観」の哲学史―「道徳科学」と「精神哲学」
終章 スコットランド哲学のフランスへの伝播―ジェランド『哲学体系比較史』をめぐって
付録
著者等紹介
門亜樹子[カドアキコ]
京都大学大学院経済学研究科ジュニアリサーチャー。京都大学博士(経済学)。1978年京都府生まれ。2007年京都大学大学院経済学研究科博士後期課程修了。日本学術振興会特別研究員(PD)、京都大学研修員、京都大学非常勤講師を経て、2013年より現職。社会思想史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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