出版社内容情報
著者はダンサーでもあるアメリカ人人類学者である。彼女は何故はるばる海を渡り暗黒舞踏の何を明らかにしようというのか? それはまさに,土方巽が言う「「光栄ある肉体の反乱」,すなわち脆弱な「社会化され秩序化」されたものではない,文字通り物質としての肉体そのものからあふれ出るパワーが,舞踏家と舞踏家,舞踏家と観客,観客とその周囲の何かと作用し合いあらたな身体の地平を拓く,その相互作用(アフェクト)の秘密を解き明かしたい,というパッションからである。自ら暗黒舞踏の稽古を受けながら,稽古の現場で作用し合うもの,生成されるものを身体経験として受け止め言語化し分析する──他ならぬ自らの身体の奥底にフィールドを見いだした,新しい人類学。
内容説明
暗黒舞踏は何故に人を揺るがすのか?物質としての肉体そのものからあふれ出るパワーが生み出す相互作用の秘密を、研究者自らの身体を通して分析する新しい人類学。
目次
第1部 アフェクト―暗黒舞踏を捉える鍵(調査の概要―暗黒舞踏とその実践;暗黒舞踏ワークショップの場所と人々)
第2部 暗黒舞踏の形成(舞踏家たちの共同生活、肉体への意識;暗黒舞踏とショー・ダンス)
第3部 身体性とアフェクト(身体間のアフェクト;身体間の「なること」)
第4部 言語とアフェクト(一つの言語的イメージに「なる」;複数の言語的イメージに「なる」)
著者等紹介
コーカー,ケイトリン[コーカー,ケイトリン] [Coker,Caitlin]
1985年、カリフォルニア州生まれ。2006年、サウスカロライナ大学卒業。2006年、日本で暗黒舞踏の研究を開始。2014年、立命館大学社会学研究科修士課程修了。2017年、京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了(文化人類学博士)。2018年、立命館大学衣笠総合研究機構専門研究員を経て、2019年より京都大学国際高等教育院特定講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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たまきら