学術選書<br> 生老死の進化―生物の「寿命」はなぜ生まれたか

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生老死の進化―生物の「寿命」はなぜ生まれたか

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  • サイズ B6判/ページ数 328p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784814001811
  • NDC分類 461.1
  • Cコード C1345

出版社内容情報

ヒトにとって死は不可避だが、明確な死をもたない生物も数多く存在する。一体何がこの違いを分けたのか。究極の謎をとことん考える。ヒトは死ぬことができるように進化した?! すべてのヒトはいずれ死ぬが、大腸菌は条件さえ整えば半永久的に増殖し続ける。一方同じ単細胞生物でもゾウリムシは一定の分裂回数という“寿命”をもち、有性生殖によるリセットを繰り返す。いったい何が、老死をもつ生物ともたない生物を分けたのか。生物の基本単位である細胞を基点とすることで、生物の多様な生のあり方と、その進化の鍵を握る暴走性と抑制系のせめぎ合いが見えてくる。生命の本質をとことん考える一冊。

はじめに

第?部 個体と細胞の「生老死」

第?章 個体発生と生老死
1 受精卵からの出発
2 受精卵から分化細胞へ
3 細胞分裂の暴走性:2nでの増加
4 暴走的細胞分裂の制御
 コラム? ダ・ヴィンチ画の天使の翼
 コラム? 数の数え方
 コラム? ゾウリムシの変身
第?章 個体の寿命と細胞の寿命
1 多細胞個体から解放された細胞の寿命
2 単細胞生物ゾウリムシの寿命
3 無性生殖は常に老・死で終わるか?
4 有性生殖と寿命
5 老死という「生」のあり方

第?部 “いのち”のつながり

第?章 “いのち”の実体
1 遺伝子とは何か?
2 形質とは何か?
3 遺伝子はどのように形質を支配するか?
4 “いのち”を支えるエネルギー通貨ATP
 コラム? 元素・生元素・生体高分子
 コラム? ナンバーワンとオンリーワン
 コラム? 仮想の「英文暗号表」
 コラム? 真実・現実・事実
第?章 “いのち”のつなぎ方:無性生殖と有性生殖
1 無性生殖と有性生殖の違い
2 ゾウリムシの有性生殖
3 有性生殖のエッセンス
4 有性生殖の起原
第?章 “いのち”の起原
1 細胞の歴史性
2 「細胞は細胞から」の唯一の例外
3 原核細胞から真核細胞へ
 コラム? 神話を生む「脳力」
 コラム? トム・チェックの講演

第?部 「老死」の進化
第?章 有性生殖と老・死
1 進化するとはどういうことか?
2 無性生殖の永続性
3 真核細胞は無性生殖のみでは生きられないのか?
4 単為生殖の意義
 コラム? 俳句の世界から散文の世界へ
第?章 老死の誕生と抑制系の進化
1 老化・死は進化の産物であるとなぜ言えるのか?
2 なぜ「老死」が進化しえたのか?
3 ゾウリムシの死に方
4 進化したのは抑制系
 コラム? 自然淘汰 vs. 自然選択
おわりに(般若心経と進化論)

あとがき
参考文献
索引

高木 由臣[タカギ ヨシオミ]
著・文・その他

内容説明

ヒトは死ぬことができるように進化した?!すべてのヒトはいずれ死ぬが、大腸菌は条件さえ整えば半永久的に増殖し続ける。一方同じ単細胞生物でもゾウリムシは一定の分裂回数という“寿命”をもち、有性生殖によるリセットを繰り返す。いったい何が、老死をもつ生物ともたない生物を分けたのか。生物の基本単位である細胞を基点とすることで、生物の多様な生のあり方と、その進化の鍵を握る暴走性と抑制系のせめぎ合いが見えてくる。生命の本質をとことん考える一冊。

目次

第1部 個体と細胞の「生老死」(個体発生と生老死;個体の寿命と細胞の寿命)
第2部 “いのち”のつながり(“いのち”の実体;“いのち”のつなぎ方:無性生殖と有性生殖;“いのち”の起原)
第3部 「老死」の進化(有性生殖と老・死;老死の誕生と抑制系の進化)

著者等紹介

高木由臣[タカギヨシオミ]
1941年生まれ。理学博士。奈良女子大学名誉教授。1965年静岡大学卒業、京都大学大学院理学研究科入学。1969年同博士課程中退、京都府立医科大学教養課程助手、講師(1974)。1975年奈良女子大学理学部助教授、教授(1994)、理学部長(2000)。1981年ワイオミング大学(米)・ミュンスター大学(独)客員研究員。1988年日本動物学会論文賞。2005年奈良女子大学定年退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

姉勤

34
表題のテーマにたどり着くまで、Ⅶ章とあとがきまで読まないとたどり着けない。その分、生物学をみっちり仕込んでくれる、一年かけて授業したいような内容。生=代謝もしくは世代の継続として、単細胞生物発生から数十億年綿々と続く命のリレー。バクテリアから人間まで、分子の無限の組み合わせの中から、数少ない共通の有機分子しか使用していない事、食べたものが体になり、エネルギーの変換方式が、いずれの生物もまったく同じ事に、人間も地球生物DNAというプログラムの最適化に勤しむ、デバッガーのひとりにすぎないと感じる。2019/07/17

ポレ

10
著者の高木先生の情熱が紙面にほとばしる!ほんわかした表紙の意匠とは裏腹に、エッジの効いた仮説と論理展開に圧倒される。”いのち”の本質は指数関数的に細胞分裂する「暴走性」である。1個の原核細胞が2日間で地球を埋め尽くすほどのポテンシャルを持っている。ところがすぐに自己の「生」をつなぐ場所がなくなってしまう。そこで進化したのが「抑制系」、つまり寿命であり老死なのである。ヒトは死ぬことができるように進化した。不老不死を願うことは愚かしいことだと著者は喝破する。2019/10/12

酔うた

4
進化においては、偶然がかさなり、その結果として今がある。起きてしまったことは何か必然のように感じられるので、その原因を言語化すると、それは不思議だ、奇跡的だと感情的なものになりがち。しかしこの本はそうではない。その確率を数学的に表し、必然との距離を常に意識する。進化で得た死の様態が、なぜそれが進化であるかを記述する。それが逆に進化とは何かを記述することになっている。必然と偶然の距離が縮まった気がする。2018/12/05

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