プリミエ・コレクション
レゲエという実践―ラスタファーライの文化人類学

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  • サイズ A5判/高さ 22cm
  • 商品コード 9784814000876
  • NDC分類 162.592
  • Cコード C3339

出版社内容情報

奴隷の子孫たちが 、もともとは植民者のものであったキリスト教の聖書を参照しながら、自分たちの苦難に意味を与え、救済に繋げるために作り上げてきた思想・実践の総体であるラスタファーライ(ラスタ)。その音楽的顕れであるレゲエは、ラスタのメッセージを広める役割を果たしてきたが、一方で、俗世間を支配する悪魔的なものと見なされることもあった。ジャマイカと日本を舞台に、ポスト・レゲエともいうべきダンスホールまで視野に置きつつ、ラスタの生活世界を描き出す。

まえがき

序 章
1 黒い大西洋から日本へ
2 なぜ「宗教ではない」ものが重要なのか
3 ラスタファーライとは何か
4 ラスタファーライの位置づけ
5 構成
6 調査の概要

第 I 部 ジャマイカというフロンティア

第 1 章 調査地とラスタファーライの概略
1 ジャマイカとジャマイカ人の概要
2 奴隷制社会の系譜
3 宗教の系譜
4 ラスタファーライの展開史

第 2 章 エチオピア・アフリカ黒人国際会議派の概略
1 エマニュエルと会議派の歴史
2 会議派の信念
3 社会構造と諸規範
4 空間の管理
5 時間の管理
6 信徒の概略

第 3 章 プリンス・エマニュエル死後の経済活動の変化
1 背景
2 ワラ製品
3 クラフト
4 商業音楽
5 アイタル
6 会議派のネットワークの再編

第 4 章 会議派系ミュージシャンの信徒らしさ
1 ポピュラー音楽シーンにおける会議派系ミュージシャン
2 受容のされ方
3 「不純」な信徒らしさ
4 ボボ・シャンティからのまなざし
5 曖昧な境界

第 5 章 ディアスポラ黒人中心主義の揺らぎ
1 ディアスポラ黒人中心主義とマイノリティ信徒
2 歴史経験の差異
3 アフリカ帰還要求運動への参与の仕方の差異
4 肌の色を問わない連帯

第 II 部 日本というフロンティア

第 6 章 日本におけるラスタファーライの概要と展開
1 日本人ラスタの概要
2 歴史的展開

第 7 章 ラスタファーライと日本のルーツとの接合
1 代表的著作にみる救済観
2 日本人でありラスタであることについて
3 土地の文化を愛でること

第 8 章 ラスタになり、ラスタとして生きる
1 宗教と呼ぶことへの違和感
2 6 人の語り
3 4 つの視点
4 他者との共感の回路を残すこと

第 9 章 ラスタファーライを介した地域への愛着とまちづくり
1 楽曲制作の背景
2 作品の制作過程
3 ワカサをレペゼンする
4 ワカサという協働の空間

終章 身体を起点に据えること
1 第I部についての考察と結論
2 第II部についての考察と結論
3 まとめに代えて

あとがき
引用文献
索 引

神本 秀爾[カミモト シュウジ]
1980年生まれ, 久留米大学文学部講師.
博士(人間・環境学)(京都大学)
専門 文化人類学
主著 「加工を通じて雄弁な身体を獲得する――肌を脱色するジャマイカ黒人の新たな美学」(『黒人研究』85, 2016). ‘Influence of Reggae Music on Economic Activities of EABIC Rastafarians in Jamaica’, (Caribbean Quarterly 61(1), 2015). 「地球とのつながりを強固にする――日本におけるラスタファーライの受容について」(『宗教と社会』21, 2015)など.

内容説明

奴隷の子孫たちが、もともとは植民者のものであったキリスト教の聖書を参照しながら、自分たちの苦難に意味を与え、救済に繋げるために作り上げてきた思想・実践の総体であるラスタファーライ(ラスタ)。その音楽的顕れであるレゲエは、ラスタのメッセージを広める役割を果たしてきたが、一方で、俗世間を支配する悪魔的なものと見なされることもあった。ジャマイカと日本を舞台に、ポスト・レゲエともいうべきダンスホールまで視野に置きつつ、ラスタの生活世界を描き出す。

目次

第1部 ジャマイカというフロンティア(調査地とラスタファーライの概略;エチオピア・アフリカ黒人国際会議派の概略;プリンス・エマニュエル死後の経済活動の変化;会議派系ミュージシャンの信徒らしさ;ディアスポラ黒人中心主義の揺らぎ)
第2部 日本というフロンティア(日本におけるラスタファーライの概要と展開;ラスタファーライと日本のルーツとの接合;ラスタになり、ラスタとして生きる;ラスタファーライを介した地域への愛着とまちづくり)
身体を起点に据えること

著者等紹介

神本秀爾[カミモトシュウジ]
1980年生まれ、久留米大学文学部講師。博士(人間・環境学)(京都大学)。専門は文化人類学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

BLACK無糖好き

14
ラスタファーライとは、1930年にジャマイカで始まった宗教的な思想と実践の体系を総称したもの。本書はジャマイカのラスタ宗派のひとつエチオピア・アフリカ黒人国際会議派の人々と、宗派のようなまとまりをもたない日本のラスタに関わる人々に焦点を当て、ラスタの解釈の仕方や、生活上での実践、又、レゲエとラスタの関係も文化人類学的な観点から論じている。あまり馴染みのないテーマではあるが、その分興味深く読む事が出来た。本書に登場するコアな日本人たちも、人間らしく生きる事に実直な人たちとの印象も受けた。2017/06/10

5
学術書というよりルポタージュのような印象。ジャマイカやラスターファーライの歴史から日本人ラスタについてまで詳しくまとめられていて読みやすかった。2019/01/29

jyocho_hiseisan

0
民博で購入、人類学的な感じはしないけどわかりやすい2019/04/19

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