変容する親密圏/公共圏<br> せめぎ合う親密と公共―中間圏というアリーナ

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変容する親密圏/公共圏
せめぎ合う親密と公共―中間圏というアリーナ

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  • サイズ A5判/ページ数 326p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784814000586
  • NDC分類 361.3
  • Cコード C3336

出版社内容情報



序 章 中間圏:親密性と公共性のせめぎ合うアリーナ [秋津元輝]
 1 つながりと現代
 2 親密圏と公共圏の継ぎ目
   2─1.親密圏と公共圏の定義
   2─2.対抗的公共圏
   2─3.ソシアビリテ(sociabilit?)
 3 コミュニティから「中間圏」へ
   3─1.コミュニティとの訣別
   3─2.アリーナとしての「中間圏」
   3─3.中間圏が占める場所
 4 中間圏を構成する2つの問題系
   4─1.中間圏への期待のまなざし ─ライン1─
   4─2.生成空間としての中間圏 ─ライン2─
 5 本書の課題と構成

第I部 岐路に立たされるコミュニティ

第1章 岐路に立たされるコミュニティ ―宮古島の祭祀組織の生成と再編成を事例に [平井芽阿里]
 1 祭祀組織から考える
 2 調査地の概要
   2─1.宮古島西原
   2─2.祭祀組織
   2─3.村落祭祀
   2─4.神役の役割
 3 変容
   3─1.意図的に開く
   3─2.加入者数
   3─3.途中加入者
   3─4.「あなたの知らない世界」
 4 公開
   4─1.写真集の発売
   4─2.外部に開かれる
   4─3.CDの販売
   4─4.雑誌への公開
 5 生成と再編成
   5─1.開かれながら閉じる
   5─2.開くことで閉じる
   5─3.祭祀組織を考える

第2章 「コミュニティ」のはらむ問題性 ―マヤ系先住民女性の家事労働の視点から考える [中田英樹]
 1 グァテマラに暮らすマヤ系先住民
 2 先住民文化の否定から多文化主義下での観光資源化へ
 3 本章の理論的枠組みと分析対象の設定
 4 先住民女性の労働構成変化─ライフ・ヒストリーの聞き取りから
   4─1.Aさん:地元定住拡大家族を基盤に村のインテリへ
   4─2.?BさんとCさんの姉妹の事例:山奥から移住後は兄姉で支え合って安定した現在
   4─3.?DさんとEさんの事例:家族分断で移住した脆弱な互助の土壌
 5 再生産労働からみた生産労働市場

第3章 地域社会のグレーゾーン ―ホームレスから地元志向現象を考える [川端浩平]
 1 はじめに―コミュニティと中間圏の間
 2 「ホーム」を守る
   2─1.岡山ガーディアンズの結成
   2─2.ストリートネームとモチベーション
   2─3.高圧的ではない防犯パトロール
   2─4.「見て見ぬふりをしない」
   2─5.軽犯罪者予備軍の管理とジレンマ
   2─6.小括
 3 「ホーム」におけるつながり
   3─1.深夜のゲームセンター
   3─2.ホームタウンのホームレス,河島君との出会い
   3─3.河島君の生業
   3─4.河島君の楽しみと貧困ビジネス
   3─5.ホームレスを排除するデザイン
   3─6.小括
 4 まとめに―2つの意図せざる結果

第II部 中間圏という視座

第4章 インターネットとまたがる「コミュニティ」 ―西表島リゾート開発と「ネット原告団」編成を事例に [越智正樹]
 1 本章の目的
   1─1.普遍,特殊,当事者性
   1─2.表象可能性の濃淡と当事者性の問題
 2 事例─リゾート開発と「ネット原告団」
   2─1.事例の概要
   2─2.「地元の実態」─場所の履歴と集団編成
   2─3.本訴原告団の編成
   2─4.小括
 3 「ネット原告団」という中間圏の場
   3─1.「ネット原告団」の諸特性
   3─2.「ネット原告団」と親密圏・公共圏
 4 むすび―当事者性が立ち現れる場

第5章 新しい多世代コミュニティ ―政策対象としての可能性と課題 [柴田 悠]
 1 なぜ多世代コミュニティに着目するのか
   1─1.社会関係の定形化条件
   1─2.背景としての社会保障財政
   1─3.多世代コミュニティへの期待
 2 多世代コミュニティ―事例比較から見る成立条件
   2─1.地縁型
   2─2.共住型
   2─3.デイケア型
   2─4.保育型
   2─5.居場所型
   2─6.多世代コミュニティの成立条件
   2─7.政策対象となったコミュニティが孕む限界
 3 多世代コミュニティの可能性と課題

第6章 離散をつなぎなおす ―なぜサハリン残留日本人は帰国できたのか [中山大将]
 1 〈場〉から観る「残留日本人」の戦後
 2 樺太日本人社会の形成と解体
   2─1.樺太日本人社会の形成
   2─2.樺太日本人社会の解体
 3 冷戦期ソ連サハリン社会の中での残留日本人
   3─1.サハリン残留日本人の概要
   3─2.冷戦期の残留日本人の孤立化
   3─3.州都グループという〈場〉
   3─4.州都グループとサハリン残留日本人
 4 ポスト冷戦期サハリン残留日本人帰国運動
   4─1.州都グループからサハリン北海道人会へ
   4─2.永住帰国と家族・国家
   4─3.サハリン北海道人会という〈場〉
 5 〈場〉の脆さと外部要因の重要性

第7章 インターネットカフェという場所 ―マニラ首都圏の事例からみるつながりの課題 [平田知久]
 1  はじめに―方法としてのインターネットカフェ
 2  人材の送り出し国としてのフィリピンとIC
   2─1.平日の深夜にICで
   2─2.不安定なフィリピンの雇用環境
 3  ICに見る英語の功罪
   3─1.Microsoft Office 2010が使えます!
   3─2.英語とゲーム
 4  ICが地域に根付くということ
   4─1.ICオーナーたちの実践
   4─2.OFWとIC
 5 おわりに―人々のつながりを維持するための条件とその課題

第III部 中間圏概念の地平

第8章 雑談が人を結ぶ ―つながりに関する歴史社会学的考察 [渡邊拓也]
 1 中間圏の位相
 2 共食・浴場・カフェ
 3 対面的/非対面的コミュニケーション
 4 ?共的(コミュナル)なつながりから社交的(ソーシャル)なつながりへ
 5 「コミュニケーション能力」の時代

第9章 モノと人との出会い―農業機械をめぐるユーザーとメーカーの交渉  [芦田裕介]
 1  モノと人の「出会い」
 2  「カスタマイズ型」技術開発
   2─1.ユーザーと農業機械との関わり方
   2─2.プロ農家における農業機械との関わり方
   2─3.小括
 3  「汎用型」技術開発
   3─1.農業機械産業の歴史
   3─2.藤井鉄工所からセイレイ工業へ
   3─3.クボタの開発
   3─4.現場の意見を汲み上げる
   3─5.小括
 4  モノと人の関係の再編に向けて

第10章 演奏空間という〈場〉 ―立ち上がるリミナリティとチベット難民社会の日常性 [山本達也]
 1  音,身体,中間圏
 2  概説
   2─1.チベット難民とは,その生活環境
   2─2.難民社会の文化ナショナリズム政策とアカマバンドの概略
 3  ムンドゴッド公演を取りまく状況
   3─1.伝統公演初日の事例
   3─2.アカマの公演2日目の事例
 4  難民社会内の「都市・農村問題」
 5  ムンドゴッドでの演奏空間から見えてくるもの
 6  演者たちが引きずる情動
 7  暴力と中間圏

終章 〈絆〉の理論から〈場〉の理論へ [渡邊拓也]

あとがき
索引(人名・事項)
執筆者紹介

秋津 元輝[アキツ モトキ]
1960年生まれ,京都大学大学院農学研究科教授
主要論文・著書:『農業生活とネットワーク―つきあいの視点から』(御茶の水書房,1998年),共著『農村ジェンダー―女性と地域への新しいまなざし』(昭和堂,2007年),編著『集落再生―農山村・離島の実情と対策』(農山漁村文化協会,2009年),「食と農をつなぐ倫理を問い直す」(桝潟俊子ほか編『食と農の社会学―生命と地域の視点から』ミネルヴァ書房,2014年),「近代農法を支えた思想と社会」(江頭宏昌編『人間と作物』ドメス出版,2016年)

渡邊 拓也[ワタナベ タクヤ]
1974年生まれ,大谷大学文学部講師
主要論文・著書:「医療化の周辺:ADHDの出現とその功罪」(『京都社会学年報』12,2004年),「医薬品からドラッグへ:一九世紀フランスにおける阿片」(『ソシオロジ』56 (1),2011年),共訳書『教えてデュベ先生,社会学はいったい何の役に立つのですか?』(フランソワ・デュベ著,山下雅之・濱西栄司との共訳,新泉社,2014年),訳書『教えてルモアンヌ先生,精神科医はいったい何の役に立つのですか?』(パトリック・ルモアンヌ著,新泉社,2016年)

内容説明

ネットワーク論を越え生成する“場”へ。変化し続け一つの形にとどまることのない現代の人間関係を分析する新たな視座―中間圏。親密/公共の二分法では捉えきれなかった、多様な「出会い」の“場”を可視化する。

目次

中間圏:親密性と公共性のせめぎ合うアリーナ
第1部 岐路に立たされるコミュニティ(岐路に立たされるコミュニティ―宮古島の祭祀組織の生成と再編成を事例に;「コミュニティ」のはらむ問題性―マヤ系先住民女性の家事労働の視点から考える;地域社会のグレーゾーン―ホームレスから地元志向現象を考える)
第2部 中間圏という視座(インターネットとまたがる「コミュニティ」―西表島リゾート開発と「ネット原告団」編成を事例に;新しい多世代コミュニティ―政策対象としての可能性と課題;離散をつなぎなおす―なぜサハリン残留日本人は帰国できたのか;インターネットカフェという場所―マニラ首都圏の事例からみるつながりの課題)
第3部 中間圏概念の地平(雑談が人を結ぶ―つながりに関する歴史社会学的考察;モノと人との出会い―農業機械をめぐるユーザーとメーカーの交渉;演奏空間という“場”―立ち上がるリミナリティとチベット難民社会の日常性)
“絆”の理論から“場”の理論へ

著者等紹介

秋津元輝[アキツモトキ]
1960年生まれ、京都大学大学院農学研究科教授

渡邊拓也[ワタナベタクヤ]
1974年生まれ、大谷大学文学部講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。