学術選書
文化資本論入門

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  • サイズ B6判/ページ数 275p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784814000449
  • NDC分類 335
  • Cコード C1330

出版社内容情報

日本を代表する経営者と経済学者が「文化資本による経済資本の制御」という壮大なテーマを取り上げ、国民経済(マクロ)の視点から金融経済の実態に触れつつ、地域創生(ミクロ)という現実的課題に応える。日本には金融経済に支配されず文化資本(伝統を生かす創造の元手)を生かして自然を守りながら経済・経営を発展させ、さらに、これらの成果を学校づくりによって語り継ぐ人々がいる。各地の教育と経済の中にこそ今を生きる知恵と希望が見出されるであろう。

はしがき―現代の経営のなかで生きる人々へ

序 章 現代の課題と向き合って経営システムと経済学を学ぶ
第1章 文化資本の経営と地域創生
    ―厳しい生活苦や孤独と向き合いながら、営利であれ、非営利であれ、
     これからの経営を学び、あるいは、志す人々へ―
第2章 現代の経営経済学
    ―経済資本から文化資本へ―
 1 経済資本から文化資本への転換―池上・福原の対話
 2 非営利と営利の文化資本経営
 3 企業文化の蓄積による永続的発展
 4 文化資本とは
第3章 人間開発の場を創る―文化資本の経営
    ―経済資本の経営=環境負荷・格差社会・金融リスクからの転換を―
 1 欧米で進歩した機械文明の限界と弱点
 2 マネー・カルチャーを正常化する動きと文化資本再生にむけて
 3 日本の企業文化、文化資本経営の伝統を見直す
 4 二宮尊徳の文化資本経営―「仕法」の画期的な意義
第4章 大変化を生み出す「文化資本の経営」
    ―新しい経済を発見し研究する経営経済学を―
 1 大変化の時代―その始まりを知り応答するには
 2 創造環境づくりに向けて―自然・地域コミュニティと共生する文化経済
 3 現代における経営経済の病=「日本化」
 4 地球規模のビジョンと具体的な場所のビジョンをもつこと
 5 文化社会の基盤が生み出す現代の技術―分業から融合への道
第5章 地域を創生するふるさと学校
    ―文化資本を生かしあう人々―
 1 文化資本経営の場を創る
 2 ふるさと再生こそ人口減少を止める―教育活動から産業振興への道
 3 地域固有の文化施設づくりから「まちづくり」へ
 4 新しい学校と文化施設が生み出す「文化によるまちづくり」
展 望 文化と資本の関係を再考する

参考文献
付 録 英文による国際学会報告、国際学術研究への貢献事例
索引(人名・事項)

池上 惇[イケガミ ジュン]
京都大学名誉教授、京都大学博士(経済学)。
福井県立大学名誉教授、京都橘大学名誉教授
一般社団法人文化政策・まちづくり大学校代表理事、文化政策・まちづくり大学院大学設立準備委員会代表者、国際文化政策研究教育学会会長、日本財政学会顧問、文化経済学会(日本)顧問、文化政策学会(日本)顧問。

1933年大阪市生まれ。1956年京都大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科修士課程より博士課程に進む。単位取得退学後、京都大学経済学部助手、助教授、教授、評議員、経済学部長を歴任。定年退職後、福井県立大学、京都橘女子大学において、研究科長、学部長など。

瑞宝中綬章(研究教育・2012年春季)受章。
専門は、文化経済学、財政学、現代経済学。人間発達の経済学・固有価値論の研究、各地文化経済の実態調査を行い、各地再生・発展を推進するネットワークを構築。

内容説明

日本を代表する経営者と経済学者が「文化資本による経済資本の制御」という壮大なテーマを取り上げ、国民経済(マクロ)の視点から金融経済の実態に触れつつ、地域創生(ミクロ)という現実的な課題に応える。

目次

序章 現代の課題と向き合って経営システムと経済学を学ぶ
第1章 文化資本の経営と地域創生―厳しい生活苦や孤独と向き合いながら、営利であれ、非営利であれ、これからの経営を学び、あるいは、志す人々へ
第2章 現代の経営経済学―経済資本から文化資本へ
第3章 人間開発の場を創る―文化資本の経営―経済資本の経営=環境負荷・格差社会・金融リスクからの転換を
第4章 大変化を生み出す「文化資本の経営」―新しい経済を発見し研究する経営経済学を
第5章 地域を創生するふるさと学校―文化資本を生かしあう人々
展望 文化と資本の関係を再考する

著者等紹介

池上惇[イケガミジュン]
京都大学名誉教授、京都大学博士(経済学)。福井県立大学名誉教授、京都橘大学名誉教授、一般社団法人文化政策・まちづくり大学校代表理事、文化政策・まちづくり大学院大学設立準備委員会代表者、国際文化政策研究教育学会会長、日本財政学会顧問、文化経済学(日本)顧問、文化政策学会(日本)顧問。1933年大阪市生まれ。1956年京都大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科修士課程より博士課程に進む。単位取得退学後、京都大学経済学部助手、助教授、教授、評議員、経済学部長を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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壱萬弐仟縁

37
生存競争に巻き込まれず、経営の力量を高めつつ、自分で考え相手や世間の理解を得ながら公正に競争する経営の課題に挑戦するのが本書(ⅲ頁)。文化資本の経営は、大都市において〝健康で、学びあい育ちあい〟の職場を目指し、農村部では、自然と共生しつつ、農林漁業の現場から学ぶ、新たな生き方を展望する(8頁)。ケインズ政策が失敗した一因は、経済の外部から公共部門を持ち出し、期待しすぎたからという(12頁)。経営とは人間開発の場である(17頁~)。2017/04/01

とまと

8
途中、80代のおじいちゃんからの遺言を読むみたいな心持ちになった。良心を身につけているということは、それを文化資本として良心的なものを生み出せることを意味する、という部分に大いに励まされた(良心があるということは往々にして損な役回りをすることもあるから)。ほかにも自然、自立、尊敬、共生など自分と親和性の高いキーワードがたくさん出てきたのもあり、参考文献をいくつか読んでみようか。2018/05/05

おせきはん

8
モノとカネを重視する経済に対し、地域のヒトや自然、伝統(文化資本)を大切にした発展のあり方を、岩手県遠野市、北海道東川町の事例にも言及しながら示しています。地域の景色を取り込んだ写真を、地域の魅力の再認識と発信につなげている東川町の事例は、新たな視点を取り入れながら、地域の文化資本を活用している事例として興味深かったです。2017/07/24

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