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内容説明
被災者とともに歩む東北の新聞、河北新報1ヵ月の主要紙面。私たちが暮らす美しい沿岸地域を巨大な津波が襲った。さらには、福島第一原発の危機的な事故。困難に立ち向かう人々とともにあることを意識した取材、報道をこの一冊に集成した。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
88
読友かんちゃんのレビューを見て手に取った。細かいところまで、3週間かけてじっくり読んだ。一番に思ったのは、結局は紙が伝え、残していくのだということ。みんながスマフォを持つ時代でも、いざとなれば瓦版を皆が見るのだ。震災中心から遠い所にいた私は、この被害の甚大さ、深刻さをほとんど体感していない。TVのニュースでは、震災数日後からは福島の原発関連が多かったように思う。この新聞に目を通す人に必要な情報を届けようとした河北新報の祈りが私にも響いてきた。2015/02/02
かんちゃん
19
「河北新報のいちばん長い日」を読んで、当時の紙面が見たくなった。縮刷版ゆえに記事を一つ一つ読むのはツライが、地元紙ならではの思いがひしひしと伝わる。某全国紙も特別縮刷版を出版している(買わなかった)が、温度差は否めない。今、東京オリンピック関連の古書が値上がりしつつある。この縮刷版が絶版後も、値段が上がらないことを切に願う。2015/01/04
太田青磁
19
「詳報。まさしくそれこそが地元紙の存在理由なのだ」とある小説の一節が思い起こされます。当日の号外。翌日の混乱。津波を実感した方々の声。情報が錯綜する原発事故。1か月経過後にも依然として残された大きな課題。「絶望からはい上がるために」と題された震災翌日の社説に心を揺さぶられました。2013/03/11
kemuta
10
まさしく当事者なのでコメントしにくいが、改めて記録としての新聞を読んでみて、いろいろな人が使っている「想定外」は、想定外などではなくリスクアセスメントをきちんとやってませんでしたと言うことなのだなと思った。昔の人の言い伝えを実直に守り、ほとんど死傷者を出さなかった地域もあるのに、「浪分神社」があったのにもかかわらず、その災害伝承を活かすことなく大惨事となった地域もあった。そう考えると、やはり「想定外」では無いなーと思う。2011/10/04
呉藍
9
あの日々の空気がよみがえる。1か月のほとんどを電気が供給されず、変わらずに配達された新聞がどれほどありがたかったことか。あの場所で同じように苦しんだ記者の言葉は、間違いなく響くもの。保管しておけばよかった、そうすべきだったと後悔していたからこそ、この一冊は手元に持っておきたい。2012/08/24