内容説明
二酸化炭素や水などあらゆる物質は環境を循環している。秘かにその痕跡を残しながら。それが安定同位体比で、これをたどることで私たちは物質の動きを追跡できるのだ。いわば名探偵が虫メガネを使うように。この新しいツールを用いて暮らしと環境問題のつながりを捉える。
目次
序章 安定同位体って何?(環境問題をひもとく新しい道具;この本の構成 ほか)
第1章 生き物同士のつながりを診る―アミノ酸の窒素同位体比を用いて(食べ物と安定同位体比;アミノ酸の窒素同位体比から覗く生態系 ほか)
第2章 気候と社会の歴史を診る―樹木年輪の酸素同位体比からの解読(これまで樹木年輪でどんな研究がされていたか;酸素同位体比との出会い ほか)
第3章 地球環境のトレーサビリティー(資源問題と環境問題をつなげる元素;地球環境を構成する元素のトレーサビリティー ほか)
第4章 環境診断学の誕生(安定同位体研究の50年史;1960年代以前―同位体が世界で注目を浴びた日 ほか)
著者等紹介
和田英太郎[ワダエイタロウ]
海洋研究開発機構地球環境変動領域特任上席研究員、京都大学名誉教授、総合地球環境学研究所名誉教授
神松幸弘[コウマツユキヒロ]
総合地球環境学研究所研究推進戦略センター助教。専門は動物生態学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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