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内容説明
第二次世界大戦が三年目に入った一九四二年、ドイツのいたるところで、郵便受けになぞのビラが入り始めた。「白バラのビラ」という見出しがつけられたこのビラはナチスを批判し、ヒトラーを強く非難するものだった。ビラはどこから来たのか?白バラとはいったい何者なのか?ゲシュタポは特別捜査班を組織した。情報提供者には報奨金が与えられる。白バラ捜査はついにナチス発祥の地ミュンヘンにおよんだ。
目次
1 ヒトラーユーゲントに心を奪われて
2 わきあがる疑問
3 兵士として、学生として
4 白バラのビラ
5 「われわれは君たちの心にささったとげである」
6 「打倒ヒトラー!」
7 逮捕
8 「自由万歳!」
9 心の声に従って
著者等紹介
フリードマン,ラッセル[フリードマン,ラッセル]
1929年生まれのノンフィクション作家。これまで、ニューベリー賞、ニューベリー賞オナーブック3回、ロバート・F・サイバート知識の本賞、子ども向けのすぐれたノンフィクションに与えられるオービス・ピクタス賞など数々の受賞歴がある。『正義の声は消えない―反ナチス・白バラ抵抗運動の学生たち』も、ロバート・F・サイバート知識の本賞オナーブックに選ばれている。ニューヨーク市在住
渋谷弘子[シブヤヒロコ]
東京教育大学文学部卒業。27年間県立高校で英語を教えたのち、翻訳を学ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
140
この登録では表紙が出ないのが残念。ヒトラーやゲシュタポに決して屈しなかった若者3人の写真があるから。彼らは無念だったろうか? いや、それでも、ヒットラーに敬礼する道を選べなかったのだから、本望だったかもしれない。こういう若者が命をかけて活動しても、最終的にヒトラーを倒したのは連合軍かと思うと…。四半世紀近くたったが、これからも、ただ素直に彼らの純粋さが評価され続けますように。2018/01/15
かめりあうさぎ
32
有名な「白バラ」について書かれた子ども向けの本。写真が多く掲載されており、歴史的流れの説明もあっさりはしているが分かりやすい。今年7月に初版発行ですが、日本の現状をみると、こういうテーマの児童書があらたに出てきているのには何か大きな意味があるような気がします。狂った全体主義に対して個人で戦いを挑むのは命懸け。それを行った彼らは絶対的に英雄だけど、でも本当は彼らが英雄にならなくても良かった世界が理想なんですよね。映画『白バラの祈り』も昔観ましたが、命をかけないと自分の信念を口にも出せないなんて悲しすぎる。2017/12/01
Nobuko Hashimoto
31
ドイツ本国の学生を主とするナチへの抵抗運動「白バラ」は、学生の関心の高いテーマ。今期も映画「白バラの祈り」を取り上げた学生がいた。こちらも写真が豊富でざっと史実を知るのに良い。感想はブログに。https://chekosan.exblog.jp/29324981/ 2019/03/22
モモ
22
第二次世界大戦中のドイツで反ナチス・白バラ抵抗運動の学生たちについて書かれた本。あの時代、ナチスに反対するビラをまくだけで命の危険があったのに、彼らは命を懸けて自らの信念を貫いた。ショル兄妹の処刑前に面会した父の言葉に衝撃を受けた。「おまえは歴史に名を残す。いくらこんなことがあったとしても、正義というものは必ず存在する。私はおまえたち二人のことを誇りに思っているよ」と言うのだ。泣いてすがってしまいそうな場面で、こう言える親に私もなりたい。児童書だが写真も豊富で白バラについての本で一番良いと思う。2019/09/11
しゅえ
11
白バラ抵抗運動について初めて知った。当時の風潮でヒトラーユーゲントや軍に入りながらも、これはおかしいと気づき、反戦行動を起こす若者たち。ナチス政権下で正しい事を訴えるのには相当の覚悟がいったろうに、彼らは命尽きるその時まで行動をやめなかった。若さは未熟ではないと教えてくれる一冊。2018/10/09