目次
第1部 アーサー王物語の源流(アーサー王文学の発生と展開―八世紀から十三世紀まで;ウェールズ伝承文学におけるアーサー物語の位置づけ)
第2部 円卓騎士の諸相(乳兄弟と兄弟愛―トマス・マロリーの『アーサー王の死』におけるケイの描写;スコットランド抵抗の象徴モードレッド;ゴーヴァンの異界への旅―クレティアン・ド・トロワ作『聖杯の物語』後半再読)
第3部 オランダと北欧のアーサー王物語(中世ネーデルランドのアーサー王文学―ワルウェインをめぐって;フェロー語バラッド『ヘリントの息子ウィヴィント』の三ヴァージョンとノルウェー語バラッド『エルニングの息子イーヴェン』)
第4部 近現代のアーサー王物語(二人の魔術師―マーク・トウェイン『アーサー王宮廷のコネティカット・ヤンキー』におけるアーサー王物語;アーサー王物語とJ.R.R.トールキン―アヴァロンとエレッセア;アーサー王伝説とミシェル・レリスの「聖杯探求」が出会うとき―Beadeverの名をめぐって;ペルスヴァル、パルジファルとパーシヴァル少年―クリスティーナ・ペリ・ロッシ『狂い船』、「聖杯の騎士」の章を読む)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たかし
1
久しぶりにアーサー王熱が燃えてきたので。論文集なのだけれど、まずはお気に入りのガウェイン関係が充実していて嬉しい。特にネーデルランドのガウェインは興味深い。本場のイングランドとフランスだけでいいよ、とか思ってたけど、ネーデルランドはイングランドの直輸入でフランスを挟んでないからガウェインの扱いがすごいいいのです。そして、スコットランド抵抗の象徴としてのモードレッド。まさか、モードレッドが善玉で、アーサー王が悪玉という扱いがスコットランド的にできるとは本当に驚きだよ。イギリスって、多民族で難しい国だわ。2017/02/11
j1296118
1
『メルワースとグウェンホウィヴァールの対話』では王妃が(夫アーサーでなく)カイを引き合いに出して彼に叶わない男なんてとメルワースを愚弄する、と言うけれど、これが以前どこかで読んだ「ケイが古い物語では王妃の恋人であったと仄めかす古詩」なのかいな2016/09/29
明智紫苑
1
小説並びにアーサー王伝説専門ブログの記事を書くための資料として購入。2016/04/10