内容説明
本書は、二〇〇三年より五年間、中央大学人文科学研究所において研究活動を行ってきた「演劇におけるNarrativeの可能性」チームの研究成果をまとめたものである。演劇にとどまらず、小説、祭儀、教育といった方面にまで拡大して考察している。
目次
『氷屋来る』―ヒッキー・ナラティヴの謎
『夜への長い旅路』―闇の彷徨が意味するもの
『尺には尺を』における眼差しと語り―ハムレットの呪詛が谺する世界
一九四〇年代アメリカの喜劇におけるナラティヴの手法―Arsenic and Old LaceとHarveyにおける狂気の扱いの考察
変容するナラティヴ―「バタフライ・ナラティヴ」を語り継ぐ
魅惑と戦慄の風景―ハロルド・ピンターの演劇世界
ヴァージニア・ウルフ、『波』のナラティヴ
祭儀の物語性と劇性について―カロリング朝時代のミサの変化を例に
愛の語り―大学教育再建のための理念と方法論の提供