目次
序論―“嘆き”の語りの汎用性
1 嘆きの萌芽(“モラル・ヒストリアン”ホーソーン―「ロジャー・マルヴィンの埋葬」とアレゴリカル・ロマンスの成立;ロマンスと嘆きの民主主義―「ぼくの親戚モーリノー少佐」における暴徒表象の意味;キューバの“嘆き”とホーソーン―「ラパチーニの娘」、『キューバ・ジャーナル』、『フアニタ』)
2 嘆きの成熟(家庭崩壊の美学―ホーソーンと宗教共同体的家庭改革;「なんじを創りしはだれぞ」―『緋文字』の怪物的誕生;動物磁気、強制移住、銀板写真―『七破風の屋敷』と“嘆き”の重層性;知りすぎた(のに語らない)男―『ブライズデール・ロマンス』と語りのメランコリア)
3 嘆きの結実(マーガレット・フラーと牧神―ローマ革命と社会運動の接線;ホーソーン氏、都に行く―「主として戦争問題について」における戦争政治学;世界改良のアメリカンドリーム―「セプティミアス」原稿と不死の夢)