内容説明
ブレイクの神話体系への志とヴィジョンの揺れを独自の分析的読み方でたどったブレイク論と、その読み方をブロンテ、ワイルド、ホプキンズ、エリオットなどの詩に応用した論から成る論文集。そこに見られる「内」と「外」の不確かさ、ヴィジョン構築の難しさは、モダニズムへの道と重なることを示唆する。
目次
第1部 ブレイク論(「愛の秘密」考;無心と経験の構図;「経験の歌」再考;ブレイクと複合芸術;『天国と地獄の結婚』;ブレイクの『ミルトン』―生成するビジョン;『エルサレム』;ブレイクの『ヨブ記』)
第2部 イギリス近代詩・現代詩試論(エミリ・ブロンテの詩―「臆病な魂はわがものではない」をめぐって;スウィンバーンの詩―虚と実の間;詩人オスカー・ワイルド;G.M.ホプキンズのソネット―インスケープと心;戦争詩人オウエン;「J・アルフレッド・プロフロックの恋歌」をめぐって)
変容の場『荒地』
エリオットとブレイク―ブレイクの眼も真珠に?
E.ミュアの詩―旅人還らず
『ゴドーを待ちながら』考―道化たちの黄昏
著者等紹介
土屋繁子[ツチヤシゲコ]
1935(昭和10)年生まれ。早稲田大学卒業後、東京大学大学院修士課程修了、京都大学大学院博士課程単位修得。英文学専攻。関西大学、和洋女子大学教授を歴任。現在中央大学人文科学研究所客員研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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