内容説明
もう一度漱石が読みたくなる。多くの「漱石研究」をふまえつつ、一市民・漱石の日常性価値を斜めから垣間見るユニークな漱石論。
目次
第1章 漱石の職歴
第2章 漱石の日常生活(食事の傾向と嗜好)と病気
第3章 漱石の神経症の実態
第4章 漱石の交遊(正岡子規を中心に)
第5章 社会評論家漱石
第6章 江戸っ子漱石
終わりに 『思い出』と神経症をめぐって
著者等紹介
黒須純一郎[クロスジュンイチロウ]
明海大学経済学部教授、中央大学経済研究所客員研究員。1947年東京に生まれる。1970年中央大学経済学部卒業。1979年中央大学経済学研究科博士課程修了。経済学博士。1995~96年ミラノ大学へ留学。専攻は社会思想史、経済思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nai
1
6月10日開始~19日読了。六章立て。職歴・日常生活と病気・神経症の実態・交友・社会評論家・江戸っ子という視点を漱石の手紙、談話、日記、評論などから見ていくという構成。面白いのは日常における食事の傾向(甘味濃い味好き)。興味深いのは明治という社会における漱石のありかた。こういうスタンスはなかなか取れないよなー。個人的に面白いのは病中でも東洋城への手紙には句が添えられていた点。2011/06/19
オドンチメグ
0
図書館本。学校の課題用。 こういう作者論みたいなのを読むのは初めてだから新鮮だった。 漱石の書いた手紙が多く引用されてて、彼の考えや状態がよく分かって面白かった。漱石が日常生活と自らの小説を関連付けて書いた(甘いもの好き、たばこなど)って言うのは少し意外で、庶民の目と地続きだからこそ、今でも多くの人に愛され読まれ続けているのかなと思った。在りし日の漱石の人柄を少し知れた気がした。とりあえず漱石の著作を読んでみたいな。奥さんの「思い出」も気になるからいつか読んでみたい。2018/05/16