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内容説明
現代のオペラ演出は、戦争、暴力、貧困、ジェンダー問題など、同時代の諸問題を作品に反映させ、音楽とともに観客を思考へと誘います。今世紀に入ってからヨーロッパ各地で上演されたオペラ作品が、私たちの時代の芸術としていかに生み直されているか。本書は、耳目を集めた演出の分析を通して、オペラという総合芸術の持つ政治性を問う一冊です。
目次
第1章 戦争の時代に:『エレクトラ』、『トロイ人』(ギリシア側から語るトロイ戦争―コンヴィチュニー演出『エレクトラ』;「神意」とは何か―シュレーマー演出『トロイ人』 ほか)
第2章 核差社会に生きる人たちのために:『ヴォツェック』(自己認識の手段としての暴力―シェロー演出;人は死ねばゴミになる?―ジョーンズ演出 ほか)
第3章 閉じ込められて:『ペレアスとメリザンド』、『ムツェンスク郡のマクベス夫人』(家庭における暴力の連鎖―ヴィーラー&モラビト演出『ペレアスとメリザンド』;墓場の平和―ノルデ演出『ペレアスとメリザンド』 ほか)
第4章 ゼロ年代の社会の鏡として:『蝶々夫人』(ケートの肖像―ドイツ各地での演出から;アジアの成長痛―オルバリー演出 ほか)
第5章 現代オペラ上演と批評の役割:『タンホイザー』(現代に語り直す「芸術家」物語―オールデン演出;批評の役割)
著者等紹介
森岡実穂[モリオカミホ]
中央大学経済学部准教授。1966年千葉県生まれ。千葉県立船橋高等学校、東京大学文学部卒業、東京大学大学院人文科学研究科英語英米文学専修課程博士課程単位取得退学。イギリス・ノッティンガム大学文学部修士課程修了。1998年に中央大学経済学部に着任、専任講師を経て現職。専門分野はオペラ表象分析、19世紀イギリス小説、ジェンダー批判。英国留学時(専攻:ヴィクトリア朝文学)に、さまざまなオペラの舞台に出会い演出の分析を志す。同時代の先鋭的な演出家による舞台を中心に、ヨーロッパのオペラ上演における政治的表象を追跡・分析している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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