内容説明
アメリカには、いまだかつて、法と秩序と正義の「黄金時代」(golden age)などというものは、決して存在しなかった。植民地時代のそもそもの始まりから、人々は、犯罪と無秩序の蔓延に耐えるだけでなく、腐敗と非能率と不正義の常態化した刑事司法システムにも耐えることを余儀なくされてきた。刑事司法の諸制度は、変化に対して抵抗を示すという認識も、またひとつの神話である。本書の論述は、刑事司法の諸機関が、かなり短期の間に劇的な変化を遂げる可能性を示し、刑事司法のシステムが「崩壊しかかっている」という一般の認識を一掃しようとするものである。
目次
第1部 初期アメリカの刑事司法―~1815年(植民地時代;新しい国家と刑事司法の改革)
第2部 刑事司法制度の創設―1815年~1900年(警察と刑務所:新たな統制機構;矯正システムの完成;19世紀における犯罪と政治)
第3部 システムの改革―1900年~現代(革新主義と刑事司法―1900年~1919年;犯罪統制時代―1919年~1940年;刑事司法における相反する流れ―1940年~1960年;犯罪と司法の危機―1960年~現在)