出版社内容情報
文学、映画、建築、労働運動から前衛芸術まで、1920~30年代のメディアにおける文化表象を多様な角度から考察する新しい〈関…織田作之助と川島雄三の共振、直木三十五と「ファシズム宣言」、佐藤春夫、中上健次を生んだ熊野と大逆事件~賀川豊彦の神戸労働運動、関西沖縄県人会~神戸モダニズムの空間、阪神間の建築表象を巡る考察~稲垣足穂、横溝正史……文学に始まって、映画、建築、または労働運動から前衛芸術まで。1920~30年代のメディアにおける文化表象を多様な角度から考察することで、「関西」という文化空間を立体的に捉えたまったく新しい〈関西学〉の誕生!
まえがき
第一章 移動と差異化
酒井隆史 織田作之助と川島雄三
尾崎名津子 〈大阪人〉の視差──直木三十五「五代友厚」をめぐって
廣瀬陽一 金達寿における関西──〈神功皇后の三韓征伐〉と「行基の時代」
黒川創 小説『京都』に至るまで──土地と創作をつらぬくもの
【コラム】 福岡弘彬 ボロ・くず・ゴミ溜りの街、京都
第二章 場と営み
冨山一郎 宣言としての言葉をどう再読するか──関西沖縄県人会機関紙『同胞』を読む
辻本雄一 熊野新宮──「大逆事件」──春夫から健次へ
杣谷英紀 一九二〇年代前半の神戸労働運動と賀川豊彦──結節点としての労働学校・関西学院
【コラム】 磯部敦 言説としての奈良
第三章 メディアと文化環境
大橋毅彦 神戸モダニズム空間の〈奥行き・広がり・死角〉をめぐる若干の考察
永井敦子 一九二〇年代半ばの『神戸版』映画情報──新聞連載小説の映画化を中心に
島村健司 ロケーションへのまなざし──神戸一九二〇年代文学の背景・前衛芸術と郷土芸術の交差地点
【コラム】 荒井真理亜 関西のメディア人・北尾鐐之助
第四章 散種されるモダニズム
高木彬「理想住宅」と「煌ける城」──一九二〇年代・阪神間の建築表象をめぐって
山口直孝 複数の神戸を遊歩すること──横溝正史『路傍の人』のモダニズム
大東和重 昭和初期・神戸の文学青年、及川英雄──文学における中央と地方
【コラム】 季村敏夫『山上の蜘蛛』を書き始めた頃
あとがき
執筆者紹介
索引
日本近代文学会関西支部編集委員会[ニホンキンダイブンガクカイカンサイシブヘンシュウイインカイ]
編集
内容説明
1920・30年代を中心として―織田作之助、直木三十五、中上健次、賀川豊彦、横溝正史~熊野・大逆事件、神戸モダニズム、阪神間の建築…主として文芸作品を対象に、人・メディア・社会を横断的かつ立体的に再構成することで、既成の「関西」のイメージを覆した、まったく新しい“関西学”の誕生!
目次
第1章 移動と差異化(織田作之助と川島雄三;“大阪人”の視差―直木三十五「五代友厚」をめぐって ほか)
第2章 場と営み(宣言としての言葉をどう再読するか―関西沖縄県人会機関紙『同胞』を読む;熊野新宮―「大逆事件」‐春夫から健次へ ほか)
第3章 メディアと文化環境(神戸モダニズム空間の“奥行き・広がり・死角”をめぐる若干の考察;一九二〇年代半ばの『神戸版』映画情報―新聞連載小説の映画化を中心に ほか)
第4章 散種されるモダニズム(「理想住宅」と「煌ける城」―一九二〇年代・阪神間の建築表象をめぐって;複数の神戸を遊歩すること―横溝正史『路傍の人』のモダニズム ほか)