出版社内容情報
問題解決だけがデザインではない。
新しい視点を生み出す「もうひとつの」デザインの力。
企業のための問題解決、商品の売上向上。デザインと聞くとこうしたことを思い浮かべる人がほとんでしょう。しかし、現代の私たちが直面する課題の多くはもはや解決不能で、これらを克服するためには、私たちの価値観、信念、考え方を変えるしか他に手はありません。
本書は、「問い」を生み出し、未来のシナリオをデザインすることで、今ある世界に別の可能性を提示する「スペキュラティヴ・デザイン」について紹介した初の日本語版書籍です。ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA)のデザイン・インタラクティブ学科で10年にわたって教鞭を執り、「スペキュラティヴ・デザイン」の提唱者として世界的に注目を集めている著者が、アート・小説・イラスト・写真・映画などあらゆる領域を引証しながら、未来をスペキュレート〈思索〉する視点について紹介します。
著者(ダン&レイビー)の作品はもちろん、Superflux、スプツニ子!など、スペキュラティヴ・デザイン実践者の事例も豊富に紹介。デザインの持つ「もうひとつ」の力を提唱します。
[日本語版序文]
スペキュラティヴ・デザインの今日的意義
― 久保田晃弘
[日本語版特別寄稿]
スペキュラティヴ・デザインに見る夢
― 牛込陽介(Takram London)
第 1 章 ラディカル・デザインを超えて?
第 2 章 非現実の地図
第 3 章 批評としてのデザイン
第 4 章 デザインという名の巨獣
第 5 章 方法論の遊び場:虚構世界と思考実験
第 6 章 物理的なフィクション:ようこそ「ごっこ遊び」の世界へ
第 7 章 非現実性の美学
第 8 章 現実と不可能の狭間
第 9 章 スペキュラティヴ・エブリシング
内容説明
答えではなく、問いを。解決策ではなく、討論を。利便ではなく、意味を。市場ではなく、社会のために。もうひとつの可能性をスペキュラティヴ“思索”する。
目次
第1章 ラディカル・デザインを超えて?
第2章 非現実の地図
第3章 批評としてのデザイン
第4章 デザインという名の巨獣
第5章 方法論の遊び場:虚構世界と思考実験
第6章 物理的なフィクション:ようこそ「ごっこ遊び」の世界へ
第7章 非現実性の美学
第8章 現実と不可能の狭間
第9章 スペキュラティヴ・エブリシング
著者等紹介
久保田晃弘[クボタアキヒロ]
1960年大阪生まれ。多摩美術大学情報デザイン学科メディア芸術コース教授。東京大学大学院工学系研究科船舶工学専攻博士課程修了、工学博士。数値流体力学、人工物工学(設計科学)に関する研究を経て、1998年から現職。世界初の芸術衛星と深宇宙彫刻の打ち上げに成功した衛星芸術プロジェクト(ARTSAT.JP)をはじめ、バイオアート(BIOART.JP)、デジタルファブリケーション、自作楽器によるサウンドパフォーマンスなど、さまざまな領域を横断・結合するハイブリッドな創作の世界を開拓中
千葉敏生[チバトシオ]
翻訳者。1979年横浜市生まれ。早稲田大学理工学部数理科学科卒。2008年にフリーランス翻訳者として独立し、自己啓発、ビジネスから、クリエイティブ系、科学まで、幅広い分野の書籍翻訳を手がける
牛込陽介[ウシゴメヨウスケ]
Takram Londonデザイナー。2013年Royal College of Art Design Interactions卒業。未来の可能性/不可能性を想像する場をつくるためのデザイン活動を行っている。今日人々の未来像を形作っているテクノロジーや国際政治に新たなシナリオを与えることで、理解や影響の埒外にある複雑な問題について考え、議論し、行動することを促すのが目的である。プロジェクトは、未来のシナリオのビジュアライズから、インタラクティブシステムのデザイン/開発、コミッションアートの制作まで多岐にわたる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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GASHOW
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福島雄一
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