内容説明
フロイトに欲動論の更新を迫り、クラインの対象関係論に寄与したメランコリー研究。その理論的変遷を、アーブラハムとラドーを介すことで初めて克明に描出し、メランコリーを昇華へと導く理路を拓く。
目次
序論(研究動機および目的;先行研究の整理 ほか)
第1章 欲動の対象から内的対象へ―メランコリー論を契機とした超自我形成説の展開(フロイトの対象概念;アーブラハムの対象概念 ほか)
第2章 超自我の攻撃性―罪責感と死の不安(フロイトの原父殺害神話;アーブラハムの「口唇サディズム」革命と原気分変調論 ほか)
第3章 メランコリーの治癒―昇華と創造(フロイトの昇華論とフモール論;アーブラハムのメランコリー諸論における昇華と治癒の展望 ほか)
結論
補論 丸井清泰のメランコリー論―日本の精神医学における精神分析理論の初期受容
著者等紹介
藤井あゆみ[フジイアユミ]
1980年、大阪に生まれる。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程研究指導認定退学。専門は医学思想史、とりわけ精神分析運動史。現在、同志社大学グローバル・コミュニケーション学部嘱託講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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