朝鮮前期の国家と仏教―僧尼管理の変遷を中心に

個数:
  • ポイントキャンペーン

朝鮮前期の国家と仏教―僧尼管理の変遷を中心に

  • ウェブストアに3冊在庫がございます。(2024年04月27日 03時39分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ A5判/ページ数 342p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784798503332
  • NDC分類 182.21
  • Cコード C3022

出版社内容情報

従来、朝鮮王朝政府は、建国以来、朱子学を国家の根本思想とする「崇儒政策」を実施する一方で、高麗時代に隆盛した護国仏教を排斥・抑圧する「斥仏政策」「抑仏政策」を推進したとされてきた。ところが、従来の研究は、新国家の形成理念である朱子学と個人の信仰である仏教が朝鮮社会で共存していた状況を考慮せず、「崇儒」と「斥仏」「抑仏」を安易に結びつけていた。また、「斥仏政策」「抑仏政策」の概念が生み出された背景についても、関心が乏しかった。



他方、近年、韓国の学界を中心に、近代以来の研究史を展望した上で、通説であった「斥仏政策」「抑仏政策」の概念を史実に即して検証する傾向が現れている。しかし、「斥仏政策」「抑仏政策」にかわる新たな通念を生み出すには至っていない。



そこで、本書では、15‾16世紀における王朝政府の仏教政策の展開を実証的に検討した。その結果、王朝政府は、15‾16世紀を通じて、僧尼を国家体制の枠内に収め、国家による土木事業の遂行や王室主催の仏事の開設に活用しようと模索していたのであり、決して「斥仏政策」「抑仏政策」という、仏教界に敵対的な政策を推進していたのではなかったことが明らかとなった。



本書の視点と成果は、日本はもちろん、韓国をはじめとする海外の学界でも、朝鮮時代仏教政策史研究に対して新たな刺激を与え、学術的議論を促すことが期待できよう。また、15‾16世紀における日本と朝鮮の交流では、高麗版大蔵経や仏教絵画など、多くの文物が朝鮮から日本に伝来したが、その伝来の経緯については、従来、日本側の視点から議論されることが多く、朝鮮側の視点からの指摘は充分でなかった。本書は、これらの文物が朝鮮を離れた背景を王朝政府内部の動向から理解する上で、ひとつの糸口を与えるものともなるだろう。

内容説明

従来の研究では、朝鮮王朝政府は建国以来、朱子学を国家の根本思想とする崇儒政策を実施する一方、高麗時代に隆盛した護国仏教の排斥・抑圧政策を推進したとされてきた。しかし、新国家の形成理念である朱子学と個人の信仰である仏教が社会で共存していた状況を考慮せず、崇儒と斥仏・抑仏を安易に結びつけていた。本書では、15~16世紀の仏教政策を検証することで、王朝政府は斥仏・抑仏を目的としたのではなく、僧尼を国家体制内に収め、土木事業の遂行や王室主催の仏事運営に活用しようとしていたことを明らかにする。

目次

第1章 朝鮮王朝建国当初における僧徒の動員と管理
第2章 『経国大典』度牒発給規定成立の経緯とその意義―世宗代~成宗代における僧徒政策の推移
第3章 成宗代における度僧法存廃論議の展開
第4章 『経国大典』度僧条削除の経緯―燕山君代・中宗代における僧徒政策の推移
第5章 『経国大典』度僧条削除後における僧徒の行状をめぐる論議
第6章 中宗代後半における僧徒への号牌の発給
第7章 明宗代における僧徒政策の再開と廃止
第8章 明宗代における地方寺院の組織運営―安峯寺の事例を中心に
第9章 一五世紀・一六世紀初頭の朝鮮における尼僧管理の推移

著者等紹介

押川信久[オシカワノブヒサ]
1972年富山県生まれ。北海道大学文学部卒業。九州大学大学院人文科学府博士後期課程単位修得退学。博士(文学、九州大学)。九州大学大学院人文科学研究院助教を経て、現在、九州大学文学部非常勤講師・久留米大学非常勤講師・下関市立大学非常勤講師・福岡大学人文学部非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。