出版社内容情報
本書は、明治時代に熊本県内で造られた近代化遺産を含む洋風建築について網羅的に調査した結果を、時代背景も含めながら叙述し、明治期熊本における洋風建築の歴史を明らかにするものである。日本の建築物は明治期に洋風化されたが、この外来の洋風建築は長崎と東京から熊本へ伝わった。その後、時代を経るにつれて、長崎から伝わった建築の系譜は東京からのそれに飲み込まれてしまうのである。このような熊本における洋風建築流入の系譜を体系的に網羅して通史として提供するとともに、東京に依存せず、自らの意思で東京以外の文化を導入しようとした熊本の地方レベルの建築活動の実態を明らかにする。
内容説明
熊本の洋風建築は、長崎および東京からそれぞれ伝搬してはじまった。近代化遺産を含む明治熊本の洋風建築にターゲットを絞り、写真や図面を駆使してその動向を記す。
目次
第1章 明治期熊本における洋風建築の導入普及過程
第2章 明治初期の洋風建築(長崎ルート、東京ルート)(明治最初期長崎ルートの洋風建築;東京ルートの陸軍建築;東京ルートの逓信建築;病院、医学校;裁判所;県の学校;県の施設)
第3章 明治20年頃登場した本格的洋風建築(熊本県庁;第五高等中学校;熊本郵便電信局)
第4章 明治20年代以降各方面に普及した洋風建築(国の建築;県の建築;国及び県以外の建築)
第5章 明治期熊本の洋風建築(ジェーンズ邸;熊本県庁;第五高等中学校;済々黌、熊本県立病院;熊本高等工業学校;熊本地方裁判所;煙草専売局熊本製造所)
著者等紹介
磯田桂史[イソダケイシ]
1947年熊本県玉名市生まれ、1972年京都大学大学院修士課程(建築学専攻)修了、同年建設省入省、1998年同省退職、1999年熊本工業大学勤務、2012年崇城大学定年退職、同年熊本大学五高記念館客員教授、博士(工学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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