内容説明
モデルの模倣という古典ローマの創作原理をキケロのプラトン主義に遡り、英国近代初期において、アスカムからシドニー、ジョンソンを経てドライデンに至る継承過程を辿る。ミルトンの『失楽園』に模倣論の実践例を見いだし、新科学思想や神学的真実論と模倣論との関わりを論ずる。
目次
はじめに 古典模倣論について(キケロの模倣論―イデア論に基づく;セネカの模倣と読書論について―『書簡集』84;クウィンティリアヌスによる模倣モデルの具体例とその成果:『雄弁術の原理』Institutio Oratoriaより;模倣と凌駕)
第1部 模倣論―アスカムからドライデンまで(ロジャー・アスカム『教師』(1570):模倣の言語的技術について
ヨーハン・シュトゥルム『貴族及び紳士のための宝庫』(1570):アートを理解する技術について
ハーヴェイ(1580)とカーク(1579)の書簡より
リチャード・スタニハースト「献辞」(1582)より
フィリップ・シドニー『詩の弁護』(c.1583、printed 1595) ほか)
第2部 ミルトン キリスト教叙事詩に向けて『失楽園』「航海」とキリスト教叙事詩
おわりに 神学的真実論と新科学時代
著者等紹介
上利政彦[アガリマサヒコ]
ミルトン、ルネサンス詩論専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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