内容説明
レコンキスタはスペインの政治と社会にどのような性格を与えたのか。19世紀末からの欧米学界における中世スペイン史の研究動向を網羅的・批判的に検討し、レコンキスタが最も激しさを増した12世紀を中心に、「グレゴリウス改革の影響」「王権と司教座」「王権と騎士修道会」「教会領主と農民」「教会とイスラーム教徒住民」など、多様な論点から史料に基づき解明する。
目次
序章 問題の所在と研究史
第1章 征服活動に先行するカタルーニャの歴史的経緯と地域的特徴
第2章 グレゴリウス改革期のバルセロナ伯領における統治構造の転換―伯と教会の関係を中心に
第3章 カタルーニャにおけるグレゴリウス7世、ウルバヌス2世の政策とその帰結―地中海におけるローマ教会進出の一事例
第4章 12世紀におけるバルセロナ伯と司教座の関係の変容―タラゴーナの事例
第5章 辺境地帯における統治構造―王権とテンプル騎士修道会の関係
第6章 辺境社会の成長過程―入植者の経済的状況と社会的上昇の可能性
第7章 ムデハルとユダヤ人の境遇―異教徒集団の社会的統合プロセス
結論と展望
著者等紹介
阿部俊大[アベトシヒロ]
1975年、静岡県浜松市生まれ。博士(文学、東京大学)。Ph.D.(バルセロナ大学)。専門は中世スペイン史、西地中海史。バルセロナ大学への留学(2004‐2006年、2010‐2011年)、日本学術振興会特別研究員PD(2009年4月‐2012年3月)を経て、2012年4月より、九州大学大学院言語文化研究院准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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