内容説明
李〓(さん)や張禧嬪が生きた時代の朝鮮経済史を対清関係が生んだ特殊な市場経済として捉え直す。清の再侵攻に備え膨大に蓄えられた銀や銅銭が緊張緩和に伴い国庫から市場へと滲出し、手工業大国中国と鉱産資源大国日本との狭間で人蔘輸出と銭本位制による“国民経済”を準備した。
目次
大清帝国の脅威と後期朝鮮経済の跛行的発展
第1部 鴨緑江流域の開発(近世鴨緑江流域の開発と国境管理;近代鴨緑江流域の開墾;平安道江界府における蔘政;北辺充実政策の展開)
第2部 通貨政策の変遷(銅銭政策と鴨緑江辺経済;常平通宝と大銭鋳造論;倭銀から砿銀へ;銀備蓄政策と銀店開発;銀の品位;現物貨幣の消滅)
第3部 対日対清貿易と信用創造(日朝貿易における被執取引;中朝貿易における手標取引;近世東アジアにおける朝鮮経済の位置付け)
著者等紹介
山本進[ヤマモトススム]
1959年滋賀県生まれ。1989年名古屋大学大学院文学研究科博士後期課程修了。現在、北九州市立大学外国語学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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