内容説明
世界とは「教育の世界」であり、教育とは人間を世界へと開く営みである。ナチスの侵攻、戦後の社会主義政権、プラハの春の挫折。チェコ20世紀の激動のなかで三度大学を追われた哲学者パトチカが、17世紀の三十年戦争で祖国を追われたコメニウスから読み取った“教育の哲学”。
目次
コメニウスへの新たなまなざしについて
コメニウスと一七世紀の主要な哲学思想
ヴェルラム卿ベーコンとコメニウスの教授学
コメニウスとクザーヌス
『平安の中心』とクザーヌス
コメニウスと開けた魂
コメニウスと今日の人間
コメニウスの教育の哲学
著者等紹介
パトチカ,ヤン[パトチカ,ヤン] [Pato〓ka,Jan]
1907‐1977。チェコ20世紀の哲学者・現象学者・思想史家。プラハのカレル大学に学び、パリのソルボンヌ大学に留学。その後、ドイツ・フライブルクでフッサール、ハイデガーに学ぶ。ナチスのチェコ侵攻にともなってカレル大学の教職を離れ、第二次世界大戦後に復帰するも、社会主義政権の成立とともに再び大学を追われる。その後、科学アカデミーの研究所に勤務するかたわら、哲学、現象学を研究。1968年の「プラハの春」とともにカレル大学に復帰するが、その挫折後、再び教職を解かれる。1977年死去
相馬伸一[ソウマシンイチ]
1963年札幌生まれ。筑波大学大学院博士課程教育学研究科単位取得退学、博士(教育学)。現在、広島修道大学人文学部教授。専攻分野は教育思想史、教育哲学
宮坂和男[ミヤサカカズオ]
1962年長野県生まれ。東北大学大学院文学研究科哲学専攻博士後期課程修了、博士(文学)。現在、広島修道大学人間環境学部教授。専攻分野は哲学、倫理学
矢田部順二[ヤタベジュンジ]
1961年東京都生まれ。学習院大学大学院政治学研究科博士後期課程単位取得、カレル大学哲学部政府給費奨学生。在チェコ日本大使館専門調査員、北海道大学スラブ研究センターCOE研究員を経て、広島修道大学法学部教授。専攻分野は国際政治史、チェコスロヴァキア現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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