内容説明
ナチズムの先駆者、狂信的ナショナリズムのイデオローグという通説を粉砕し、「自由への教育」と「国家の廃棄」を謳った巨人フィヒテを長き眠りから呼び覚ます。フィヒテが提唱した共和主義、「生き生きとした相互作用」の現代的意義がいま、明らかになる。
目次
第1部 イエナ期フィヒテ哲学の基本理念(生における使命―イエナ大学公開講義についての考察;フィヒテの「精神」概念―『哲学における精神と字句の区別についての講義』についての考察 ほか)
第2部 イエナ期フィヒテの社会哲学―権利と国家(カントとの「継承と差異」;フィヒテの『自然法の基礎』における権利概念 ほか)
第3部 中期フィヒテの社会哲学―「国民」と「国家」(後期思想への重要な媒介としての『道徳論の体系』;身分と相互作用―『道徳論の体系』における義務論と『フリーメイソンの哲学』の考察 ほか)
第4部 後期フィヒテの社会哲学(監督官制度と主権の根拠―『一八一二年の法論』についての考察;フィヒテの戦争論―『国家論』(一八一三年)第二章「真の戦争の概念について」の考察 ほか)
著者等紹介
清水満[シミズミツル]
1955年対馬に生まれ育つ。公務員ののち、1982年鹿児島大学法文学部(倫理学専攻)卒。1988‐1989年ドイツ・エッセン大学にプロモベントとして留学。1991年九州大学大学院文学研究科(倫理学専攻)博士課程単位取得退学。2011年北九州市立大学社会システム研究科(思想文化領域)博士後期課程早期修了。博士(学術)。予備校講師。九州女子大学、筑紫女学園大学非常勤講師。日本グルントヴィ協会(教育市民運動ネットワーク任意団体)幹事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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