感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
山がち
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たとえば、私が何かものを食べる時、それがどのように生産されてどのように流通して私の口に入るのかを考えた時、最近はふと経済的な観点に流されがちだった。たくさんの人の手が間に入っている。だからそれは価格に転嫁されるのだというような。しかしそれでは個々の人間に目を向けたところで結局経済という観点から人間性を剥奪してしまう。飯嶋先生の論稿は、そのような非人間性から人間性を取り戻すきっかけを与えてくれたような気がした。また鵜飼先生のフランケン・シュタインの読みや小黒先生のトーマス・マンの「魔の山」の論が面白かった。2013/09/28