内容説明
ソ連からの独立後復活した、イスラームの伝統に則った地域共同体=マハッラ。若き女性研究者がウズベキスタン社会に溶け込み、新国家建設に際してマハッラが果たす役割と課題を探る。
目次
序章 中央アジア地域教育研究の課題
第1章 ウズベキスタンにおけるマハッラとその教育的側面の歴史的変遷
第2章 独立後におけるマハッラの構造と成人の学び
第3章 マハッラにおける子どもの社会化と文化継承
第4章 学校教育におけるマハッラ
第5章 マハッラと学校の連携による「市民」意識の育成
第6章 諸機関の連携活動による青年教育―マハッラ・NGO・国際機関の事例から
終章 ウズベキスタンにおけるマハッラの教育的役割
著者等紹介
河野明日香[カワノアスカ]
1978年大分県生まれ。筑波大学大学院人文社会科学研究科助教。ウズベキスタン共和国タシケント国立教育大学研究員、筑波大学大学院人文社会科学研究科準研究員、日本学術振興会特別研究員PDを経て、2009年10月より現職。九州大学大学院人間環境学府博士後期課程修了、博士(教育学)。専門分野は社会教育学、中央アジア地域教育研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ドウ
1
3章以外は初めて読んだ(昨年宗教教育について考えねばならなくなったため3章だけは読んでいた)。ウズベキスタンの地域共同体マハッラについて、およびそれ自体に対する教育のありようを社会教育学の観点から考察した本。政府は国民統合のためにマハッラに対する愛郷心を愛国心へ転換しようとしているとのこと。政府の政策は何でもナショナリズムに結びつけられるだろうという批判を最近聞いたが、新興国家では教育を通じた国民統合というのは当然ありうると思う。何度も章が変わる度同じ記述をしている部分があるのがちょっと気になった。2015/01/12