内容説明
日本は世界で最も人口が老いた国であり、東アジアの韓国・中国も急速に老いている。はたして経済発展は人口高齢化の速度に追いつけるのか。それぞれ独自の発展を遂げてきた高齢者福祉政策を東アジア共同体で調和させることはできるのか。日中韓の研究者が人口高齢化のリスク対策について、それぞれの国の事例をもとに論じ合ったシンポジウムの成果に基づき、東アジアの人口のエイジング(少子高齢化)に対する調査研究と政策提言・事業提案に取り組む拠点を形成することを提言する。
目次
第1章 東アジア高齢化の社会的リスク
第2章 立ち遅れた所得保障と急速な高齢化の影響―韓国の経験と課題
第3章 韓国における高齢者健康・介護政策の実態と今後の改善課題
第4章 中国の人口発展と養老リスク
第5章 中国の高齢化対応―都市部の社区の役割
第6章 日本の高齢化と政策展開
第7章 日本における介護保険サービス提供の理想と現実―営利法人とNPO法人との比較分析
第8章 東アジアに対する日本の高齢化対策の応用可能性
第9章 新しい社会的リスクとしての国境を越える人口移動
著者等紹介
小川全夫[オガワタケオ]
九州大学名誉教授・熊本学園大学社会福祉学部教授、九州大学アジア総合政策センター協力教員。1970年九州大学大学院文学研究科修士課程修了。1996年博士(文学)号取得。職歴として、宮崎大学教育学部、山口大学人文学部、九州大学大学院人間環境学研究院、山口県立大学大学院健康福祉学研究科を経て、2010年より熊本学園大学社会福祉学部教授。九州大学、山口大学より名誉教授号。九州大学アジア総合政策センター学外協力教員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。