内容説明
著者は自由な筆致で「記述」を試み、また「暦時間」構造を見出して独自の視点から臨床を豊かに読み解く。より生活感覚に根差した精神科臨床のための新たなスタイル。
目次
第1部 記述する(音楽療法士がきりひらく時空間;正岡子規の「写生」と精神科臨床における記述;太陽の塔と精神科臨床―緊張病性エレメントを超えて;健康診断にやってくる身体)
第2部 記述をつかまえる(臨床が記述を生み記述が臨床を生む;精神科臨床における記述の本領;記述によって開かれる精神療法の展開点;精神症状の「記述」ということ;精神科臨床のツーリズム化と記述の転変)
第3部 暦をつかまえる(アプド・フェストゥムとしての暦時間;患者の歴史を巡って 歴史フェストゥム論と暦時間;庄野潤三のサルトグラフィ;統合失調症の健康生成を考える)
第4部 エッセイ(愛好する精神;少し異なる色あいの糸;見学者の作法と「書く」作法;白い空と白い紙 松本雅彦先生をしのんで)
著者等紹介
杉林稔[スギバヤシミノル]
1962年生まれ。愛仁会高槻病院精神科主任部長・心理室担当部長。1988年京都府立医科大学医学部卒業、同年神戸大学医学部精神神経科教室に入局。兵庫県立光風病院、関西青少年サナトリューム、神戸大学医学部附属病院精神科勤務を経て、1996年より現職。専攻は臨床精神医学、精神病理学、総合病院精神医学、病跡学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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