内容説明
「ストレスの時代」から「トラウマの時代」へ―。いま世界的に話題のポリヴェーガル理論を、深く広い視野から、わかりやすく面白く読み解いた本邦初の本格的な解説書!!心身の相関にとどまらず、からだ・こころ・社会のダイナミックな連関を呈示し、新たな臨床的アプローチへの途を切り拓く。
目次
理論の誕生まで
「ポリヴェーガル」の発見
脳神経・副交感神経と迷走神経
鰓弓神経と「腹側迷走神経複合体」
自律神経系の3段階論
ニューロセプション
「背側迷走神経複合体」の社会化:「恐怖なき不動化」―オキシトシン・マジック
「あそび」の社会性―腹側迷走神経複合体と交感神経系のブレンド
「拡大ポリヴェーガル理論」へ
「ポリヴェーガル理論」の射程(1)意識/無意識問題
「ポリヴェーガル理論」の射程(2)トップダウン/ボトムアップ問題
「ポリヴェーガル理論」の射程(3)皮質ブラックボックス問題
小結―「社会神経系」と「社会脳」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひろか
9
とりあえず流し読み。著者は何者だろうと思うほど、多知識。細かな脳機能はよくわからないが、心と体の双方向性だけはわかる。臨床にいかすときのイメージづくりをしなくちゃ。2019/06/09
木麻黄
8
津田先生、あなたは一体何者なのでしょうか…。という独り言が、冒頭から読了まで消えることがありませんでした。単なる解説にとどまらず、ポ理論と社会脳研究の断層を抉り出す考察は、オリジナルに対する鋭い批判にもなっていて、どれだけ読み込めばこれだけの提言がなしうるのか、浅学非才の者にとっては、文字通りため息しか出ない有様でした。難解は難解なのですが、その惹きつける筆致にも導かれて何とか読み通せました。本文533頁も、脚注とコラムを合わせれば実質千頁ほどの大著ではないかと思います。不動のベストワンになった本でした。2020/02/15
azu3
2
かなりの力作。手元に置き、マーカーをつけながら再度じっくり読みたい。神経学独特の呼び名もイチから解説してくれるなど、初心者にも優しい。お勧め。2021/08/03