内容説明
精神科病院や診療所の一勤務医として臨床を続ける日常の中で、ふと感じたことや印象に残ったことなどを綴ったエッセイ集。へんてこだったり、ほっこりしたり、ときにはちょっとスリリングな魅惑の十話。
目次
ちまたの蔵書癖
学会に向かうタクシーで
無言の会話―患者さんとの独特な間合い
「ヌマタ」と私
三位一体の攻撃
金曜日の昼下がり、スーパー銭湯
たんこぶができた話
イトグチの話を居酒屋で
当然という言葉を括弧に入れて―「精神疾患の長期経過」雑考
草とりをする
著者等紹介
菊池慎一[キクチシンイチ]
1960年兵庫県生まれ。鳥取大学医学部卒業後、国立精神神経センター武蔵病院、国立療養所鳥取病院を経て宝塚三田病院勤務。非常勤として向陽病院、たぞえ診療所でも診療を続けるなど臨床三昧の日々を送る。専攻は臨床精神医学、精神病理学、精神薬理学、産業医学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ポカホンタス
5
できたての本を贈呈いただいた。中身のほとんどはすでに雑誌掲載時に読んでいる。著者独特の臨床センスがエッセイとして結実している。内容も楽しいが、読むこと自体を楽しませてくれる。表紙のイラストもいい。カルテからこんな虫が湧いてくるなんて素敵。本の虫になっている人の話も中に出てくるが、草臨床にも虫はつきもの。味な演出がたっぷりだ。2018/01/31
日曜読書人
4
表紙の絵は鏡映像だったんですね!鏡に映した絵が本物だったとは…。2018/05/09
Asakura Arata
1
病棟勤務も良いなあと思った次第。平日昼間にスーパー銭湯などは憧れの的だなあ。もっとも小生も嘱託を減らせばできないことはないのだが。最近は著者のような、臨床を掘り下げて行くような精神科の先生は少なくなったなあ。最後の草取りと問診の共通点は共感。瞑想だって診察中にしている私としては。2018/02/09