内容説明
発達症をもつ人に対しては、一人一人に個別の支援プランが必要である。医療者も一人一人がそれぞれの診断用・治療用ツールを持つことが望まれる。発達症をもつ人を診療するにあたって、極めて役に立つヒント。診断・治療用ツールのCD付き。
目次
第1章 おとなの発達症の理解(ASDの診断概念の変遷と現状;ADHDの診断概念の変遷と現状 ほか)
第2章 検査・評価・診断について(診断に必要なツール;診断についての当科のシステム ほか)
第3章 治療・支援について(使用する手法―主として子どもの発達症に使用される方法の活用;一般的な精神療法、他の疾患での手法の応用 ほか)
第4章 症例(現症歴、その他;現在の発達症特性 ほか)
著者等紹介
今村明[イマムラアキラ]
福岡県大牟田市出身。1992年長崎大学医学部卒業後、同大学精神神経科医局所属。2009年8月より長崎大学大学院精神神経学准教授。長崎大学病院以外に、長崎家庭裁判所に週一回半日勤務。現在外来診療のほとんどが、児童思春期から成人期の発達症児・者を対象としている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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シン
24
色々と現場で使えそうな知識が満載。 私のようなほぼ素人でもある程度わかりやすく、 かといって簡単すぎないところも良い。 勉強になった。 附属のCDがついているのもありがたい。 表紙を発達症の方が描いたのを使用をしているとのことがだ、内容と特に関係ないのでもう少し別のがなかったものかと思ってしまった。2018/01/17
Asakura Arata
1
外来における発達障害の診断と治療について、よくまとまっている。日々の診療に忙殺される一般精神科医にとっては、とても役にたつ本だと思う。しかし児童精神科医は、一般精神科医にも成人の発達障害ケースを見て欲しいと言いながら、生育歴をしっかり取れだの、発達障害の講習受けろだの、高い金出して評価スケール買えだの、いろいろ要求してくる。1日数十の外来患者さんを見ている先生に、そんなしちめんどくさいことを要求しても診察してくれるわけはない。それで「一般精神科医の先生は発達障害見てくれないんだよなあ」とぼやいてる。2014/11/16
小鳥遊小鳥
0
当事者よりは支援者向け、ですがガチガチの専門書でもありません。支援者向け入門本……なのかな? 発達障害専門医の告知の方法として、いくら発達障害のポジティブなイメージを伝える意図があるとはいえ「発達障害だったといわれる偉人」の名を列挙したスライドを見せるのは適切なのかどうか、疑問に思いました。2015/08/23
猿谷透
0
長崎大学病院で発達障害の専門外来を担当する著者が特に読者を特定せずに必要と思われる事柄をまとめたのが本書である。非専門家の人たちには取っつきにくい内容となっているだろう。これから精神科臨床に触れる若い医師や日常臨床で発達障害を診る機会のある精神科医師にとってはコンパクトに要点が掴めて重宝する。大半の部分は精神科臨床を真面目にやっていれば常識と考えられる事柄なのだが、その常識から逸脱していないか自己を振り返る機会として本書に触れることに意味がある2015/02/24