内容説明
世に棲む日々の自閉症。江戸時代の自閉症、サヴァンの出現、美術的サヴァン、貼り絵師の山下清、巨人の肩に乗るニュートン、自閉症の数学者、など、自閉症にみられる諸現象が物語のように記述されている。
目次
第1章 在りし世に棲む日々(江戸時代の自閉症;江戸時代の注意缺陥多動性障碍 ほか)
第2章 サヴァンのきらめき(サヴァンの出現;自閉症の知能 ほか)
第3章 巨人の肩に乗るニュートン(驚異的な数学の能力;自閉症の数学者(ラマヌジャン;エルデシュ;ペレルマン) ほか)
第4章 そのようにあるとはどのようなことであるのか―自閉症者の手記を読む(手記の取り扱いについて;自閉症者の手記(グランディンの自伝;ウイリアムズの自伝;森口の自伝) ほか)
第5章 「發達障碍」概念、あるいはことばの使用について(「發達障碍」という用語の使用法;外国での發達障碍概念の歴史 ほか)
著者等紹介
石坂好樹[イシサカヨシキ]
兵庫県に生まれる。昭和48年、京都大学医学部卒業。その後、京都大学医学部附属病院精神科で卒後研修を受けた後、昭和56年から京都大学医学部附属病院勤務、昭和60年から公立豊岡病院に勤務した後、平成15年から京都桂病院精神科に勤務している。専門は臨床精神医学、児童青年精神医学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Asakura Arata
1
旧仮名遣いが気になるな。「發達障碍」はよいとしても「注意缺陥多動性障碍」とか。ときどき同じ文言が従来の表現になることもあり、わけわからん。とはいえ、自閉症の病理にかんして考えるきっかけとはなった。しかし生物学的病理に関しては、症候群なだけにあまり議論しても意味がないのでは、と思ってしまう。サヴァンに関しては、幼少時に脳神経細胞の剪定が上手くいかないという例の仮説から、導き出せないのかとも思った。2015/02/03
おーあみ
1
人間の脳は一体どうなっているのか?!と思う一冊。いわゆる自閉症・サヴァンの人たちが出てこなかったら科学の発展もなかったのか。突然変異とは別に、進化において彼らのような存在は、もしかしたら重要だったのかもしれないと考えるなど。2015/11/07