内容説明
精神病性うつ病―うつ病のなかで最も重篤で生命的危機に近いこの疾患は、うつ病概念の拡散によってますます軽視される現状にあり、治療論も確立していない。脇に追いやられた患者の苦しみは、ふくらむばかりである。本書は、このような実態に強い警鐘を鳴らし、新たな評価法、治療法を提案する。精神病性うつ病をうつ病の特殊な形としてではなく一つの重要な疾患概念とし、その症候から7つのタイプに分類し、タイプごとの治療論を展開する。
目次
1 はじめに
2 精神病性うつ病の歴史
3 精神病性うつ病の診断
4 患者の体験
5 歴史的見地からみた治療
6 治療:落とし穴と抜け道
7 電気けいれん療法、薬物療法、その他
8 精神病性うつ病のタイプ別治療法
著者等紹介
シュワルツ,コンラッド・M.[シュワルツ,コンラッドM.][Swartz,Conrad M.]
米国・南イリノイ大学医学部精神医学部門教授。うつ病、不安障害の治療と精神病性うつ病および重症うつ病に対する電気けいれん療法に長年の臨床経験を有し、論文も数多い
ショーター,エドワード[ショーター,エドワード][Shorter,Edward]
カナダ・トロント大学歴史学部(Department of History)教授。医学史が専門で、家族や性の歴史も扱うが、精神医学と精神薬理学の歴史にとくに造詣が深い。多数の著作がある
上田諭[ウエダサトシ]
京都府生まれ。関西学院大学社会学部卒。朝日新聞社編集局(記者)勤務。1996年、北海道大学医学部卒。東京医科歯科大学附属病院神経科精神科、東京都多摩老人医療センター内科・精神科、東京武蔵野病院精神科、東京都老人医療センター精神科に勤務。2007年、米国デューク大学メディカルセンター“Visiting Fellowship in ECT”を修了。同年、日本医科大学精神医学教室助教、2011年より講師
澤山恵波[サワヤマエナミ]
神奈川県生まれ。2002年、北里大学医学部卒。2008年北里大学大学院医療系研究科卒。北里大学東病院精神科、千葉県精神医療センター、相模原市精神保健福祉センターに勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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