内容説明
20年以上勤めた大学病院から、還暦にして都立松沢病院院長に就任し東京都の職員となった筆者。必ずしも広く知られていない病院の日常活動、東京都の精神科医療の実情、歴史に残る患者さん、東京府癲狂院時代から松沢病院に至るまでのエピソードなど、筆者が6年半の在職中に感じたこと、知り得たことをエッセイ的に書き下ろした。また、写真などもおりまぜわかりやすく綴った歴史に残る1冊。
目次
東京都立松沢病院院長となる
精神科医療と松沢病院の歴史
松沢病院とはどんなところか―その現状
松沢病院に働く人々
入院患者さん
松沢病院歳時記
院長生活のいろいろ
松沢病院の問題点と将来
著者等紹介
風祭元[カザマツリハジメ]
医学博士、帝京大学名誉教授。1934年、東京生まれ。少年期を水戸で育つ。東京都立国立高校を経て、1958年、東京大学医学部卒業、1959年同大学精神医学教室に入局。1970‐72年、米国タフツ医科大学精神科・ボストン州立病院臨床研究員、1972年、帝京大学医学部精神科学教室主任教授・附属病院精神神経科科長。1987年、同病院副院長。1994‐2001年、東京都立松沢病院院長。専門は精神科薬物療法学。厚生労働省の中央薬事審議会委員を長くつとめ、国際神経精神薬理学会(CINP)正会員、日本臨床精神薬理学会・日本生物学的精神医学会・日本精神科診断学会等の名誉会員。帝京大学名誉教授
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感想・レビュー
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Do-moMiki
1
日本でおそらく一番有名な精神病院の歴史と実態について読めて面白かった!! ここに書かれている松沢病院の有名患者以外にもたくさんの人々のドラマがあるんだろうな。2017/05/14
Tatsumi Bettencourt
0
都立松沢病院の挑戦という本ですが、該当する本が無かったのでこちらで登録。斎藤先生の退職に伴い出版された一冊。日本の精神科の歩みからこれからに至るまでが書かれています。癲狂院という名前からスタートした悲しい歴史が印象に残りました。一人一人の人生に向き合い、決して理解する事出来ない相手の気持ちを理解しようとする事が共感であるという言葉が響きました。変わらなければいけないのは私たちであり、多様な文化で異質を迎える事が大切。2021/04/29