内容説明
登山家が地図をもって山を探索するように、精神科医は「精神病理学」という“心の地図”をもって心の探険をします。本書は、心を病む方やその家族の方、医師以外の精神医療の専門家、一般の方にも理解しやすく、役立つように作った“心の地図”です。心の病を理解するためのやさしい精神病理学入門。
目次
児童期の心の地図(児童精神医学とは何?;子供に起こる心の障害;心因性障害;学校の適応上の問題;病気?それともなんでもないの?―子供に多い障害;児童精神医学のQ&A―こんな時にはどうするか)
青年期の心の地図(人格障害―パーソナリティ障害;摂食障害;多重人格―交代性人格)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コジターレ
3
約20年前の本なのに、市橋先生の本は色褪せない。勉強になったし、根底に患者さんへの愛情を感じるから読んでいて心地よさも感じる。診断名などは随分変わったが、臨床における本質は変わらない。2015/06/15
ミィさん
1
市橋先生は優しさと厳しさを兼ね備えた名医ですね。子どもの発達障害、不登校。思春期以降のパーソナリティー障害、摂食障害について、優しくときに厳しく書かれておられる。心の病を抱えた子どもの親向けの本です。2015/04/08
Ken Aura
0
引用。日本人の意識は古来からの日本神道から形作られる古意識と、六世紀に入った仏教的な意識とさらに江戸時代に入った儒教による規範の三層によって形作られています。そしてあえていえば、近年では戦後民主主義でしょうか。/子供とうまくいっていない父親は、子供の小さい頃から学童期までにおいて、父親の存在を知らせるような身体を通じた遊びをしていない父親が多いようです。もし父の存在が希薄であると、母は父の代行として「男根のある母」として子供に接してしまうでしょう。つまり、干渉ー介入的、支配的、過保護的な母親です。2015/05/11