逆説と対抗逆説

逆説と対抗逆説

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  • サイズ A5判/ページ数 199p/高さ 22X16cm
  • 商品コード 9784791101870
  • NDC分類 493.72
  • Cコード C3011

内容説明

本書は1971年にパラツォーリ女史を中心に企画され、1972年1月から著者らによって始められた共同研究の報告書である。その初期の研究は5~7歳までの重篤な精神病の5人の子供と10~22歳までの入院治療の経験のない10人の急性の分裂病者を対象とした、ささやかなものだったが、そこから編み出された理論と治療的な介入技法には目を見張るものがあった。それは従来の精神療法が拠り所としていた直線的因果論的な認識論を根底より問い直す、いわば円環的でシステミックな認識論を基礎にした新しい治療法の誕生であったからである。この認識論は、症状の出現は家族の安定性が失われたことを意味するのではなく、その家族自体がたどるベき進化の過程において空回りしていることを意味するという考えを強調するものであった。

目次

療者は親の代わりをするという役割を放棄し、それを家族の一番若い世代に逆説的に処方する) 療者は親子関係のジレンマを引き受ける
治療者は改善が疑わしいものであっても異論をさしはさむことなく受け入れる
家族員の欠席という策動にいかに対処するか
存在否定に打ち勝つ
秘密の連合の問題
誰をも責めざる治療者自らの無能宣言
治療者が究極的な逆説を自分自身に処方する