内容説明
「精神分析家や心理療法家は、笑うことがあるのだろうか?」「ユーモアのセンスは、心の病について学び、それを治療することとは相容れないのであろうか?」これら今世紀最大の根本的疑問は永年の間その答えを見いだせないでいた。最近になって、何人かの心理療法家や精神科医が笑いに満ちた論文を「多形倒錯誌」という心理学の専門雑誌に載せ始めた。これらユーモアに満ちあふれ実にゆかいな文章を集めたのが本書である。本書は、心理療法の分野に関係するさまざまな人々のもったいぶった、冗長な話ぶりをひとつひとつ取り上げて、パロディー化している。
目次
1 心理療法
2 精神分析
3 精神診断学
4 心理テスト
5 臨床心理学
6 教育心理学と教育
7 産業・組織心理学
8 実験心理学
9 発達・児童心理学
10 統計学
11 心理学の歴史と体系
12 心理学雑誌
13 書評
14 心理学の現代的問題
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
還暦院erk
8
図書館本。前から気になっていたので予約して借りて読んだ。かなりブラックなネタや政治的に若干正しくない(?)不謹慎ネタもある。何より心理学統計学の専門用語がじゃんじゃん出てきて衒学的。くらくらした。教育心理や臨床心理などの基礎を勉強している学生さんは、通年の講義修了後に「これ通読して笑えるか」で専門用語&概念のおさらいテストするといいかも。そうそう、「心理学者に見られるデジャヴ現象の再現」(p237~他)の企みにはホント驚いた。これは心理学素人でも注意力があれば「オオッ!」となるよ。2017/10/26
ぽげムた
4
『この本によって私の笑いの感覚と性格の形成を致しました。』学生時代、インチキ臭い心理療法がマスコミでもてはやされていたので、良い教科書はないかと探していたら、(何故か)出会った一冊。金のない時に2500円は大金でしたが、貪るように読んだので元はとったかな?この本は、著者が心理療法家にもかかわらず、専門の雑誌内で行き過ぎた心理療法は滑稽であると、一見研究書らしいジョーク集です。「ベジタリアンは熱狂的に野菜を殺す、偏執狂的」「死体への心理療法アプローチ」など、日本では絶対見れないね。2011/09/22
佐井杜有
1
臨床心理がわかればなおおもしろいのだろう。わからなくてもおもしろかったが。駐車の療法が好きだ。2011/05/03
輝胤@灯れ松明の火
0
よく分からなかったが、何かを風刺していることは分かった。「仏に逢うては仏を殺せ」との臨済の名言のパロディーだけ理解できた。2012/04/16